family

□知ってること
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俺は昔りんちゃんにもう俐空を見ないでって言ったことがある

その時りんちゃんからあったのは謝罪の言葉で見ないって返事じゃなかった。


薄々気づいてた

りんちゃんの中から俐空が消えることは多分もうないんだって

そしてそれは俐空も同じだってこと

2人の中でお互いの存在がもう染み付いちゃってるんだ。



「おーい朔夜ー
お前サボってんじゃねぇよ。」



今俺は敵視してる俐空と一緒に庭の草むしり中

俺がモヤモヤしてるってのに何も知らない顔しちゃってさっ

誰のせいでこんな思いしてると思ってるんだか

なんだかムカついてしゃがんでる俐空の背中を蹴飛ばした。



「いってぇ〜…
何すんだよ!」


「俐空が悪いんだからな!」


「はぁ?」


「ふんっ!」


「なんなんだよ…。」



俐空は何が何だかわからないようで茫然としてる

まぁそりゃそうだよね

この気持ちがわかるのは玲奈しかいないから。



「なぁ俐空。」


「ん?」


「俺に言わなきゃいけないこととか隠してることない?」


「朔夜に?
…さぁ、別にねぇと思うけど
つーか朔夜に隠し事したってしょうがねぇじゃん。」


「そっか。」



俺本当は知ってるんだ

今でも時々りんちゃんと俐空が会ってること

2人が何をしてどんな話してるのかは知らないけどさ。


俐空にとってこれは隠し事に入らないのか…

てことは当然玲奈にも言ってないよね

俺が気づいてるってことはきっと玲奈も気づいてる

今度2人で慰め合い会でもしよ…。



「よっしゃ終わった!」


「俐空せっかくの半日休みなのによくやるね。」


「休みだからだよ
いつもはお前らにやってもらってるからな
こういうときくらい俺も手伝わないと。」



こういうことを普通に言える俐空はやっぱりカッコいい

今頃部屋で寝てる優と才我にも見習ってほしいよ。




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