family

□私だけに見せる顔3
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才我は普段嫉妬したりしない

今まで付き合った人の中で誰よりも大人で誰よりも心が広い

高校の時から一緒にいるけど一回くらいしか見たことないかも

そんな才我が今凄く不機嫌なオーラを出してリビングに座ってる

なぜかは2時間前の些細な出来事。



「やっぱり家事が大変だよねぇ。」


「でも仕事してくれてる分相手にはあんまり苦労かけたくないんだ
俺男じゃん?
だから余計頑張らないとってさ。」



近所に住む同い年の主夫と最近仲良くなって話すようになった。


イクメンである彼とは話も合ってつい話し込んでしまう

才我がいても放っておくことがしばしばあり

ついに今日機嫌の悪さも加わって才我がキレた。



「そんなに話したいならずっといればいいだろっ!」



私は怒鳴られたことよりも彼がこんなことを言うってことに驚いて思わず唖然としてしまった。



「そんなに怒らなくてもいいじゃん。」



っとも思ったけど嫉妬してくれたことの方が嬉しくて彼を追いかけ今に至る。



「ごめんね?」


「………。」


「才我?」


「………。」


「ちょっと、なんでシカトすんの。」



ムカついて正面に行くと才我は怒ってるよりも泣きそうな顔をしてた。



「才我?」


「あいつのとこ行かなくていいのかよ…。」


「うん、いい。」


「なんで…
楽しそうに話してたじゃん…。」


「才我といたいからもういいの。」



拗ねる才我が珍しくて素直になってあげてたらいきなり抱きしめられた。



「もうあいつのとこ行かないでよ…
ともちんが知らない男と仲良く話してるの見るとムカついてくる…。」


「才我…。」


「ともの笑顔俺以外に見せないで…。」



泣きそうになりつつも唇を尖らせるこのいかにも嫉妬してますって顔

ともが見るのは2回目かな?


きっとこんな顔他の人たちは知らない

というか嫉妬するなんてこと自体いつもの才我を見てたら考えられないと思う

ともだけが知ってる嫉妬の顔

たまにしか見られないこの顔を今度はいつ見られるのかな。




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