family

□私だけに見せる顔2
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子供たちが産まれてからゆうちゃんと2人きりで過ごす時間は減った

みんなまだ小さいし特に陽希は目が離せないからしょうがないんだけど…

いつもくっついてた人が離れると寂しかったりする。



「みんなそろそろ寝るぞ。」


『えぇー!
まだ眠たくないー!』


「ダメだ
明日も幼稚園あるだろ
起きれなくなって遅刻してもいいのか?」


『だめー!』


「じゃあみんな寝に行くぞ。」


『はーい。』



既に寝てしまっている陽希を抱っこし2人を連れて寝室へ行った。


ゆうちゃんは子供好きだし良いパパで良い旦那さん

今みたいに子供たちの面倒もよく見てくれて凄く助かってる

でももうちょっと陽菜のこと見てほしいなぁなんて…

言ったら絶対来てくれるけど恥ずかしいから言わない。



「はーるなっ。」



このまま寝ちゃうと思ったけど数分後ゆうちゃんは笑顔で戻ってきた。



「なんでそんな笑顔なの?」


「ん〜?
そりゃ陽菜と2人っきりになれるからかなぁ。」



そう言ってソファーと陽菜の間に入り込み後ろから思いっきり抱きついてきた。



「ちょっと痛いー。」


「まぁよいではないかぁ。」


「もう…。」


「寂しかった?」


「別に、なんで陽菜が…。」


「俺には陽菜が寂しそうに見えたんだけどなぁ
妬いてるかもってちょっと嬉しかったんだけど違った?」


「そんなことないもん。」



そう冷たく言ってもゆうちゃんはずっとニコニコしてる

それは多分陽菜の本心をわかってるから

わかっていながら質問してくる彼はイジワルで全てを見透かしてるから苦手。



「ほんとのこと言ってよ…
子供たちに嫉妬してしたんだろ…?」



いつもより低い声で耳元でそう囁かれる

離れようにも腰にはゆうちゃんの腕が回って逃げられない。



「陽菜…?」


「ちょ、ちょっとだけ…。」


「ちょっだけ…なに…?」


「寂しかった…。」



こういう時の彼はいつもと違ってカッコいいから素直になっちゃう

おちゃらけたり甘えたり騒いだり

カッコイイ時もあるししっかりしてるけどみんなといる時の顔じゃない。


この表情でいつもより低い声で囁かれると陽菜はゆうちゃんに逆らえない

陽菜だけに見せる

陽菜だけしか知らない特別な顔。




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