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□私だけに見せる顔4
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朔夜さんが私だけに見せる顔はほとんどないと思う。


みんなの前でも嫉妬した顔カッコいい顔可愛い寝顔全てを見せてる

むしろ俐空や優さんたちの方が私の知らない顔を知ってるかもしれない

私が唯一知ってる顔といえば…。



「くっ…りんちゃんっ……」



してる時のこの幸せそうだけどどこか苦しそうで切なそうな顔くらい

逆にこの顔をみんなにも見せてたら結構困る。



「はぁっ…どうしたの?」



私の反応がいつもと違ったからか朔夜さんが動きを止めた。



「ううん…
ちょっと考えごとしてただけ。」


「ヤってるときの考え事なんて凄く気になるんだけど。」


「朔夜さんのこの顔好きだなぁって。」


「え?」


「朔夜さんが私だけに見せてくれる顔だから。」


「りんちゃん…。」



彼の頬を撫でると朔夜さんは嬉しそうに笑って止めていた腰を再び動かし始めた。



「ぁ…んっ…さくや…さんっ……」


「俺もっ…りんちゃんのその顔…好きだよっ……」


「えっ?」


「感じてる顔凄く可愛い
その甘い声も反応する身体も全部大好きだよ。」



そういうとさっきまで優しかった動きが激しさを増す

私の体を愛撫しながら耳元で名前を囁かれれば勝手に体は反応する

全身が朔夜さんを求めて抗えない。



「んぁっ…っ…さく…やぁ……」


「はぁっ…はぁっ…りんちゃっ……」


「もっと…もっと見せてっ…?
俺だけの…っ…りんちゃんを……」


「はっ…私にも…見せてっ…?
私しか知らない…んっ…朔夜さんを……」



私だけのこの切なそうな顔

その瞳には私しか写ってなくてきっと私の瞳も朔夜さんしか写してない

頭の中も心の中も大好きな彼でいっぱいになる。


私だけしか知らない私だけの顔

大好きな朔夜さんの顔を包んで優しくキスを交わした。




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