family

□やめられない関係
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「待った?」


「いや、俺もさっき来たとこだよ。」



今日も俺は彼女と夜の公園で会う

約束してるわけじゃないけどアイコンタクトで分かる

お互いに結婚して子供もいるのに何してるんだって感じだよな。



「最近どうなの?」


「そうだなぁ
玲奈が嫉妬深くなってて可愛い。」


「なにそれっ
嫉妬されて嬉しいの?」


「昔はあんましてくんなかったからさ
むしろ俺の方が嫉妬深かったと思う。」


「今は逆ってこと?」


「そうだな
由紀はどうなんだ?」


「私?
私は別になんともないよ
いつも通り大好きな朔夜さんと子供たちに囲まれて幸せ。」



会ってなにするわけでもなく

最近はお互いの近況報告をするぐらいだ。


昔は…まぁ…抱きしめたり?

たまにキスしたりすることもあったけど最近は別に

あるとすれば今みたいに肩を寄せ合って座り手を握るくらい

これもアウトっちゃあアウトなんだけど…。



「ねぇ俐空…。」


「ん?」


「私たちこのままでいいのかな?」


「由紀…。」


「会った後家に帰って笑顔の朔夜さん見ると凄く胸が苦しくなるの…。」


「俺もだよ
玲奈見ると申し訳ない気持ちになる…。」



俺たちはわかってるんだ

このままじゃいけないってこと

会うだけとはいえ玲奈と朔夜を裏切ってることに変わりはないんだから。



「こうやってまだ会ってるの2人は知ってるのかな?」


「少なくとも朔夜は知ってる
この前そう言ってたから。」


「じゃあ玲奈ちゃんもきっとわかってるね…
わかってて何も言わずにいてくれてるんだ…。」



由紀が消えそうな声でそういうもんだから俺は繋いでる手の力を強めた。




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