ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□帰ってきた
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正月から2日

計算してたはずなのに俺はあいつと会ってしまった。



「まだいたの?」


「見てわかんだろ
今から出てくとこだ。」



俺を引き取った義母で姉ちゃんの母親

柏木家の大人とすげぇ俺は相性が悪い。



「前言ったでしょ
私の前に現れないでってそんな約束すら守れないの?」


「うぜぇよ…
俺だっててめぇとなんか会いたくねぇ。」


「じゃあ早く出て行って。」


「言われなくてもわかってる。」



小さい頃は俺を引き取れて嬉しかったらしい

けど懐かねぇわヤンキーになるわで徹底的に嫌われた俺

いつしか顔を会わせることさえお互い避けるようになったんだ。



「蓮っ!」


「姉ちゃん…。」



ただ1人
姉ちゃんだけは俺を嫌いにはならなかった。


理由は知らねぇ

弟ができたのが嬉しかったのか別にどうでもよかったのか…

姉ちゃんは俺がヤンキーになっても姉ちゃんのままなんだ。



「次はどこに行くの?」


「いいだろどこでも。」


「教えなさい。」



姉ちゃんの目は俺の目をじっくり見つめる

瞳の奥まで見抜かれそうで思わず視線を反らした。



「…優希か冴江の家だよ。」


「ちゃんと連絡してね?」


「なんで…。」


「だって蓮は私の弟だもん
姉が弟のことを心配するのは当たり前のことでしょ?」


「姉ちゃん…。」


「本当は私も蓮と一緒にいたい…
でも蓮にとっては大嫌いな人でも私には大切なお母さんなの。」


「わかってるよ。」



俺には姉ちゃんさえいれば家族なんていらない

それに黒龍っていう大切な居場所が俺にはある

何も失うものなんてない。



「今度はいついなくなるんだ?」


「まだわからないの
でもわかったらすぐに連絡するからねっ。」


「ありがとう。」



定期的に帰ってきたりいなくなったり

俺が家を空けるのは別に珍しいことじゃねぇ

だからあいつらがいなくなればまた俺はこの家に戻る

多分これはずっと変わらないな。



「じゃあ俺行くな。」


「蓮1つだけ聞いて良い?」


「なに?」


「どうしてお母さんとお父さんが嫌いなの?」



そんなの最初から決まってる…。



「あいつらが俺の仲間を嫌って綾を侮辱したからだ。」



それ以外の答えはない

つーかそれだけで理由は十分だ。







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