キミに伝えたくて

□学部旅行1
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「俐空…起きろ…」


気持ち良く寝ていたのに

誰かに体を揺すぶられた。


「んぁ…?」


「仕事あんだろ?
もう5時だぜ」


起こしてくれたのはどうやら優の様子。


俺の本性を知ってる優が

心配して起こしに来てくれたんだ


「わりぃな…
もう起きるから出てってくれ…」


「あぁ?
なんでだよ」


「玲奈裸なの
お前になんか見せられるか」


「そういうことね…
ちゃんと目覚ませよ?
じゃあな」


優はそれに気づくと部屋を出て行った。


いくらなんでも彼女の裸は見せられない。


それがたとえ背中だけでもなっ


「玲奈ー…」


自分の腕の中で眠っている彼女を

起こさないようにギュッと抱きしめる。


一緒に住むようになると

少し離れるだけで寂しさは倍増


「ずっとこうしてたい…」


離れたくないという気持ちが溢れた。


「でも行かなきゃな…
おはよう玲奈」


行きたくない気持ちを抑え込み

重たい体を起こして

玲奈のおでこにキスをした。


シャワーを浴び、

散らばっていた服を着る。


玲奈には寒くないように布団をかけてあげた。


「今日から3日間も会えないんだよなぁ…
昨日あんだけヤったのに足りなくなりそう」


そこは仕方ないよな


思春期男子だもん


あれだけヤったって1日分


玲奈見てると今からでもしたい気分だ。


「俐空起きたかぁ?」


玄関から優の声が響く。


「あぁ、起きたよ」


「もう車着たぞ」


「わかった
行ってくるな玲奈…」


俺は玲奈の唇に自分の唇を押しつけ、

首筋に跡を残して部屋を出た。



「ありがとな
起こしてくれて」


「夜中甘い声が聞こえてきたから
俐空起きれないだろうと思って」


「ちょっと待て
お前声聞いたのか?」


「陽菜と少しだけな
そんな険しい顔すんなよ
大丈夫だって
俺らもヤってたから」


何が大丈夫なのかさっぱりわからない…。


「ほら早く行けよ」


「あぁ…」


「玲奈のことは俺らに任せとけ」


「頼んだ…」


俺はそう言って車に乗り込む。


本当は玲奈を起こして行きたかったけど

早朝の為そうもいかず、

気が引けたけど眠ったままの玲奈を残して行った。
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