ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□生きて…
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「玲奈…。」


「んっ…。」



いつの間にか眠ってしまっていた私は眠っていたはずの蓮に起こされた。



「れ…ん……。」


「おはよう。」


「蓮っ!」



とにかく嬉しくて起きたばかりの蓮に抱きついた。



「っ…
ごめんな心配かけて。」


「蓮…よかったっ。」


「泣くなってば…。」



いつの間にか流れていた涙を拭って頭を撫でてくれる

本当に蓮が起きてるんだ。



「そういえばここはどこだ?
俺は何日眠ってた?」


「ここは病院
蓮は4日間眠ってたよ。」


「4日間もか…
つーか病院だと!?
いてて…」


「ほら大きな声出すから…
なにか問題でもあるの?」


「帰る。」


「え?」



無理やり体を起こして蓮はベッドから下りた。



「まだ寝てなきゃだめだよっ!」


「病院は…大嫌いだ…。」



その言葉にはただ嫌いなだけじゃなくて憎しみみたいのも混じってた。


なにかを恨んでるのかみたいだけど私にはわからない

どんなに嫌でも完治するまではここにいてもらわなきゃ。



「まだだめだよ寝てないと。」


「うるせぇ…
病院になんかの世話にはならねぇぞ。」


「だめだってば!」


「退けよ玲奈…
邪魔すんならいくら彼女でも容赦しねぇ…。」



突然黒いオーラに包まれた病室

背筋が凍るような鋭い目で見られたら身動きができなくなった。



「わりぃな…
あとで俺の家で会おう。」



私はただ壁をつたいながら去っていく蓮を見つめることしかできなかった。



「玲奈ちゃんどうしたの?」



それから数分後

お見舞いにやってきた由紀ちゃんに声をかけられやっと正気に戻れた。



「そういうことね…
蓮は本当の病院嫌いだから仕方ないかもしれない。」


「どういうこと?」


「昔ヤンキーだからって理由で仲間も助けてもらえなかったらしくて…
それ以来ずっと医者が、病院っていう場所自体が大嫌いになっちゃったの。」


「そうだったんだ…。」


「家に行くって言ってたんだよね?
じゃあ私たちも帰ろっか。」


「あ、うん。」


「私退院手続きだけしてくるから下で待ってて。」



さっきの蓮…

凄く怖くて恐怖で足がすくんだ。


今でもまだ少し震えてる

けどあんな蓮を癒してあげられる人は私しかいない


怖くったって私は蓮の彼女だもん

もっと彼のことを知ってわかってあげなくちゃ。





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