ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□光と闇
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いつもは短い神社までの距離

今はすげぇ長く感じる。



「大丈夫…?」


「あぁ…
これくらいなんともねぇよ。」



…とは言いつつ俺の体は悲鳴をあげてる

歩くとギシギシ音をたて体中に痛みが走るんだ。


いつもは玲奈の前を歩いてるのに今は後ろを歩いてる

合わせていた歩幅も合わされている状況

さすがに玲奈も辛いんだって気づいちまうよな…。



「やっぱり帰る?」


「大丈夫って言ってんだろうが…
心配することねぇ。」



強がりもいいとこ

彼女にさえ弱いとこを見せられないなんてな

まぁ見せられないんじゃなくて見せたくないだけだが。



「…蓮の仲間の人たちも怪我酷いの?」


「え?」


「蓮だけじゃなくてみんな怪我してるのかなぁって…。」


「ここまで酷いのは俺くらいだろう
なんせ病院抜け出した上に動き回ってんだから。」


「あ、安静にしてなきゃ!」


「今頃おせぇだろっ。」



繋いでいない方の手ででこピンをしてやった。


当然赤くなる一部分

涙目でそこをさする玲奈が可愛かった。



「やっと着いたな神社。」


「怪我人が来るとこじゃないもん。」



いつもより倍の時間をかけてようやくたどり着い神社

今年最後だからかいつもより混んでいる。



「俺から離れんなよ?」


「怪我してる蓮からなんて離れられないよ。」



強く握り返してひっついてくる玲奈はよく意味がわかってるようだ。



「まずはお参り。」



賽銭を入れて目を閉じる。



「これは仲間と相手の供養…。」



同じ場所で総長としてお参りをした。



「もういい?」


「あぁ、十分だろ。」



人混みに流されないように思い出の場所へ行った。



「ここ…。」


「初デートの河川敷。」


「ちゃんと覚えてるよ
お姫様抱っこして走って花火見せてくれたんだよね。」


「あとこれ。」


「なに?」


「渡しそびれたもの。」



クリスマスの日に渡せなかったプレゼント

日にちは経っちまったけどやっと渡せた。



「ブレスレット…。」


「指輪をあげてネックレスを貰った
じゃあ次はブレスレットかなって。」


「ありがとう蓮…
私もあるんだ。」



“はい”と言われ受け取ったのはベルトだった。




「蓮の部屋見たときベルトが1つしか見あたらなかったの
よく使うでしょ?
だからベルトにしようって。」


「ありがとな。」


「どういたしまして。」



キスをすれば嬉しそうに微笑んだ。





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