ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□約束
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「蓮っ!」



時間より少し早く着くと姉ちゃんはもう外で待っていた。



「まだ8時じゃないぜ?」


「家にいても暇だから待ってたの
蓮だって8時前に来たでしょ?」


「優希と陽菜の邪魔するわけにはいかねぇだろ。」


「それはそうだね
じゃあ行こっか。」


「あぁ。」



姉ちゃんを後ろに乗せペダルを漕いだ。



「姉ちゃん少し重くなった?」


「バカッ!」


「っ…
冗談だから怒んなって。」



本当は重さなんか変わってない

俺の冗談に怒る姉ちゃんの反応もそのままだ。



「姉ちゃん乗せるのも久し振りだな。」


「蓮が中学2年生の時以来だもんね。」


「なんで乗せなくなったんだっけ?」


「私が高校に入って学校が分かれちゃったからでしょ。」



そういえばそうだったような気がする

そんでそっから俺はまた学校に行かなくなった

今思えば姉ちゃんがいたから学校に行ってたんだなって思う。



「…蓮成長したね。」


「え?」


「心はもちろん体もね。」


「そりゃ2年も経ってるからな。」


「背中いつのまにかこんなに大きくなってたんだね…。」


「そうか?」


「逞しくなったもん
冴江ちゃんが華奢だから余計に大きく感じるのかもしれないけど。」


「あいつ細いもんな。」


「うん…。」



背中に姉ちゃんの頭が置かれ腹にも腕が回った。



「ねぇ蓮…。」


「ん?」


「1つだけ約束してほしいことがあるの…。」


「いいよ。」


「死なないで…。」



死なないで…か…。


今の俺にとってそれは1番難しいこと

けど多分裏の世界のことをわかってて言ってる言葉

昔から変わらず無理に近い約束を求めてくる。



「わかったよ…
約束は絶対破らねぇ。」



それを守れるかどうかわかんねぇのに約束する俺も変わってねぇな。



「そういや姉ちゃんも成長したよな
胸がデカくなったもん
中学の時はまな板だったのにさ。」


「え…。」


「よかったな成長して。」



あのままだったら可哀想だもんな

なんて考えてるとジワジワ痛くなる腹…

そして前から胸を叩かれた。


怪我中の俺にとっては効果抜群

一気に痛みが走った。



「…ってーな!!」


「蓮のバカ!//」


「悪かったって。」




謝ったのに姉ちゃんはまだ俺を見てくる。



「なに…。」


「今度はさっきみたいに冗談だって言わないんだ…。」


「あ…。」


「最低…。」



嘘は苦手なんだよ

わりぃな姉ちゃん。


そんな話をしているうちに学校にはついて、

姉ちゃんは沈んだまま校内に入ってった。





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