ヤンキーの俺と清楚な彼女2

□周りの変化
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玲奈「蓮…。」


蓮「おっ、来たな。」


玲奈「…なにしてるの?」



目の前の彼の後ろ姿から煙が見える

振り返った蓮の口にはタバコがあった。



蓮「なにって見てわかんだろ?」


玲奈「吸ってなかったじゃん…。」


蓮「吸いたくなっただけの話だ。」


玲奈「じゃあ止めて。」


蓮「おっと火傷するぜ?」



タバコを取り上げようとすると手を掴まれかわされる

そしてタバコの煙を私に向けて吹き出してきた。



玲奈「ケホッ!
…ゴホッゴホッ!」


蓮「煙たい?」


玲奈「なにするの!?」



咳き込む私に対してニヤニヤ笑ってる彼。



蓮「嫌いになった?」



本当ならこんなことされて「大嫌い!」って言ってやりたい

でも私を見つめる目がどこか不安そうで悲しそうで…

自信なさげな顔を見たら言えなかった。


首を横に振ると蓮は困ったように笑った。



蓮「嫌いって言えよ。
タバコの煙吹き付けられたんだぜ?」


玲奈「いや…
だって蓮が好きだもん…。」



そう言うとくわえていたタバコを地面に落として踏みつける

そして溜め息をつきながら髪を掻き上げた。



蓮「俺ら今喧嘩中だぞ?喧嘩してる相手に好きって言うか普通。」


玲奈「喧嘩してても蓮のことは好きだから…。」


蓮「嫌いって言えよ…。」



小さな声でそう呟いた蓮は自分のことを嫌いになってほしそうだった。


どうしてそんなことを言うのか凄い不思議

ただ蓮はずっと苦しそうな顔をしてる。



玲奈「蓮どうしたの?」


蓮「なんでもねぇ…
ごめんな。」



聞いても謝って頭を撫でられるだけ。



玲奈「蓮タバコなんて吸ってたの?」


蓮「たまにな
けど最近は全く吸ってなかったよ。」


玲奈「悩みでもあるの?」


蓮「玲奈のことが好きすぎるのが悩みかな。」


玲奈「じゃああんなことしないでよ。」


蓮「ごめん。」


玲奈「私蓮の力になりたい。」


蓮「え?」


玲奈「何を苦しんでるの?」


蓮「玲奈が気にする事じゃねぇよ。」


玲奈「でもっ…。」


蓮「じゃあこの前の続きヤらせて?」


玲奈「誤魔化さないで。」


蓮「バレた?
けど続きがしたいのは嘘じゃねぇよ。」



耳元で囁かれて顔が熱くなってきたのがわかる。


嘘つかれて結局蓮が苦しんでる原因はわからない。



裏でお母さんと彼が秘密の約束をしてることも

蓮が苦しんでる原因が私だってことも気づきもしなかった。





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