トライアングル

□第1章
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「乙輝おはよ!」


「ん…。」


「早く起きないと遅刻しちゃうよ?」


「わかってるから…。」




今日も窓から侵入してきたであろう彼女の名は大島優子


隣の家に済んでて小さい頃からずっと一緒


俺の幼なじみであり片思いの相手だ。



お互いの部屋が向かいで窓が近いこともありいつも俺のとこに侵入してくる


馴れすぎて今じゃいない方がおかしな感じだ。




「はい、これ朝ご飯。」


「机の上置いといて。
俺顔洗ってくる。」


「じゃあ私は鞄持ってくるね。」


「あぁ。」




俺の家にはご飯を作ってくれる人はいない


親が共働きで2人とも朝早く出勤して夜遅く帰宅する。



家には寝に帰ってくるだけ


だから昔からの付き合いのお隣さんが面倒を見てくれてる。




「さっさと髪セットするか。」




顔を洗い髪毛をいつものようにセットして部屋に戻った。




「今日から学校楽しみだね!」


「そうか?
別に楽しみでもなんでもないけど。」


「だって高校生だよ?
新しいこといっぱいおこりそうじゃん。」


「だといいけど。」




今日は入学式で晴れて俺たちは高校生になった。




「ちゃんと制服着なよ。」


「別にいいだろ。」


「腰パンしてると足短く見えるのに?」


「俺優子と違って足長いから。」


「むっ…。」




新しい制服をちゃんと着ている優子に対し俺は着崩してる


襟を出しネクタイを緩めズボンは腰パン


先輩や先生に目を付けられたっていい


俺は自分の好きなようにするから。




「行こうぜ優子。」


「ふん。」


「なに怒ってんだ?」


「どうせ私は小さいですよーだ。」




俺は172cmで優子は152cm

俺の方が足長くて優子の方が小さいのは当たり前なのに。




「なに。
気にしてんの?」


「別に。」


「女は小さい方が可愛いって。」


「私は大きくなりたいもんっ。」




ベッドに座って怒ってるけど俺にはそれが可愛くてしょうがない


そう思うのはきっと好きだからなんだと思うけどさ。



用意してもらった朝ご飯をくわえて頭を撫でた。




「学校いかねぇの?」


「行くけど…。」


「俺が悪かったって。
そんなことで落ち込むなよ。」



「…落ち込んでないよ!おにぎりもらいっ。」


「ああー!
俺の朝ご飯返せー!!」




油断していた俺の口からおにぎりをもぎ取り部屋を出て行った優子を慌てて追いかけた。





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