トライアングル

□第1章
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乙「まて優子!」


優「ここまでおいでーっ!」


乙「甘く見んなよ?」




自分で言うのはなんだが俺は足には自信がある


足の速い優子にもすぐに追いつけた。




乙「捕まえた。」


優「乙輝が足速いの忘れてた…。」


乙「ほら。
俺の朝ご飯返せよ。」


優「もう食べちゃった♪」


乙「はぁ?」


優「ごめんね。」


乙「お前な_」


敦「朝から元気だね2人とも…。」


リク「こっちはまだ眠いのに…。」




俺の言葉を遮ってそう言ったのは親友の若松リクと彼女の前田敦子だった。




乙「お前らこそ朝弱いのに早いなんて珍しい。」


リク「俺たちだっていつも寝坊するわけじゃないよ。」


敦「今日は私が起こしてあげたの。」


乙「へぇ〜。
あっちゃんえらいじゃん。」


優「じゃあ明日は雨かな?」


敦「ちょっと優子ひどいよ〜。」


リク「あっちゃんもたまには頑張るんだよ。」




そう言ってさりげなく頭に手を置くリク


優子を見れば寂しそうなな顔をしてた。



俺に片思いの人がいるように優子にも片思いの人がいる


それが親友の若松リクだ。



あっちゃんっていう彼女がいるから辛い


俺は前に優子にそう聞いたことがある。




敦「そういえばなにかあったの?」


優「なにが?」


敦「騒いでたから。」


乙「…なんでもないよ。」


優「え…。」


リク「なのに騒いでたの?乙輝元気過ぎ。」


乙「リクが元気なさ過ぎなんだよ。
じゃあ俺たち先行くな。」


リク「わかった。」




優子の手を引いて足早にその場を後にしてた


できるだけ2人が一緒にいるところは見せたくない


悲しい顔なんか見たくないから。




優「乙輝…。」


乙「ん?」


優「なんで2人から離れたの?」


乙「お前が悲しそうな顔するからだろ。」


優「私そんな顔…。」


乙「俺は見たくないから。
優子の悲しそうな顔。」


優「どうしてわかったの?」


乙「…そんなん幼なじみだからに決まってんじゃん。」




ここで好きだからって言えないのは俺が弱いから


まだ優子に伝える勇気がなくて

今じゃ脈ナシってことがわかってるからだ。




乙「今日は入学式で楽しみなんだろ?
そんな顔いつまでもしてんなよ。」



優「ありがとう…。」





ポンポンと頭を撫で手を握り学校へ向かった。





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