トライアングル

□第2章
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優「もう始まってる…。」


乙「あ〜あ。
間に合わなかったか。」


優「乙輝ならまだ間に合う!」




始まっちゃったけどまだ終わってない


私の応援してたから入部できなかっただなんて許さないんだから


ちょっと遠いけど乙輝の足なら大丈夫。




乙「優子は?」


優「後からちゃんと追いかけるから早く!」


乙「わかった。」




手を離して走っていった乙輝の姿はどんどん遠くなってく。




優「どんだけ速いの…。」




すぐに追いかけると乙輝が強面の人に止められてた。




「おい。」


乙「な、なんすか?」


「お前のクラスと名前を言え。」


乙「1年K組の如月乙輝…です。」


「ちょっと来い。」




え、うそ

乙輝なんかしたの?


ゴツい体の人につれてかれちゃった…。




優「乙輝…。」




心配で着いていくとそこは陸上部が入部テストをしてるとこだった。




「如月とか言ったな。」


乙「はい。」


「お前には今からうちの選手と勝負してもらう。」


優「え?」


乙「それって入部テストってことっすか?」


「そうだ。
100m走ってみろ。」




入部テストってことは乙輝はスカウトされたってことか…。




乙「わかりました。」




ネクタイを外してブレザーとYシャツを脱ぐ


Tシャツ姿になって私のところにやってきた。




乙「優子ちょっとこれ持ってて。」


優「大丈夫?」


乙「なんとかなるさ。
つーか先輩相手でも俺負けねぇし。」


優「頑張ってね。」




背中を向けて拳を上げる乙輝がなんだかかっこよく見えた。




『乙輝くん頑張ってっ!』




けどそう思ったのは私だけじゃないみたい


いつの間にか隣にできていた女の子集団


乙輝のファンクラブの人たちらしくて黄色い声援をあげながら応援してる。



うるさいはずなのにそれを無視できるなんて凄い集中力。




優「頑張れ…。」




よーい… パンッ!




ピストルの音で走り出した2人


ほとんど並走でタイムは同じなのかと思ったけど違った。



50mを過ぎたあたりから乙輝がスピードを上げて先輩を突き放してく。




優「速いっ…。」





そこからはもう決着が見えて乙輝の圧勝でテストは終了した。





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