トライアングル

□第5章
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優「……き。」


乙「……。」


優「…つき。」


乙「ん〜…。」


優「終わったよ。」




目を開けると目の前に眉を下げた優子がいた。




乙「お疲れさん。」


優「うん…。」




頭を撫でると元気なさげに笑みを浮かべた。




乙「あ、佑紀は?」


優「さっき佐江先輩のところに走ってったよ。」




起き上がり周りを見渡すともう俺らと佐江ちゃん達と片づけをしてるマネージャーしかいなかった。




乙「寝過ぎちまったな。」


優「ねぇ乙輝…。」


乙「どうした?」


優「お願いがあるんだけど…。」


乙「なに?」


優「だきし…「めっちゃ美人な人が校門に2人いるぞっ!」


乙「え?」




まだやってた男子がそう叫んで走ってった。



俺も男だから優子が好きとはいえ美人って言葉には反応する


思わず優子の話を遮ったあいつの声を聞いちまった。




優「…行こっか。」


乙「あ、うん。」




優子も美人な人が好きだからいつもなら2人して走ってくんだけど…


それをしないってことはどうやら今回は重症みたいだ。




「すげぇ美人!」
「校門でなにしてんのかなぁ!」




既にそこは人集りができていて帰るのも困難だった。




乙「男ばっか…。」


優「すごいね…。」




立ち止まってると一瞬だけどその美人な人と目があった。




乙「なんか見たことある気が…。」


優「え?」




囲まれてた人は群れを掻き分けて俺らの方に走ってきた。




乙「うおっ。」




そんでもって俺に抱きついて来やがった。




「乙輝久し振り。」


「寂しくなかった?」


『乙輝てめぇ!』


優「なんで?」




優子、
それは俺が聞きたい。




乙「まり姉もはる姉もこんなとこでなにやってんの?」




社会人で8コ上の麻里子と女子大生で5コ上の陽菜


離れて暮らしてたはずの姉たちが突然帰ってきた。




麻「一緒に住むために帰ってきたの。」


陽「あっ、ゆうちゃん?」


優「にゃんにゃんおかえりっ。」




幼なじみの優子は当然2人とも仲が良くてはる姉とは2人でもよく遊んでた。




「乙輝誰だよあの美人!」


乙「俺の姉ちゃんたち。」


『まじかよ…。』



麻「乙輝家まで案内してくれない?」


陽「陽菜道忘れちゃった。」


乙「しょうがねぇなぁ。
優子帰ろ?」


優「うん。」




姉ちゃんたちと会ったことで優子はちょっと元気を取り戻してた。




乙「よかった…。」




何故か若干落ち込んでる男らを退けて久し振りに4人で家に帰った。





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