トライアングル

□第7章
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『はぁー…。』


柏「次は乙輝も?」




半分笑いながらそう言ってくる


佑紀はいいよなぁ


ちゃんとした彼女がいて両想いなんだからさ。



佑紀と佐江ちゃんが仲良くしてるのを見ると羨ましくなる


優子とそうなれたらって何回思ったか…


叶わない夢を抱くのは辛いぜ。




「大島、
ちょっといいかな?」


優「うん。」




照れる男子生徒に呼び出される優子


明らかに告白だってわかる。




柏「追いかけるんだ。」


乙「うるせぇ…。」


柏「そんなに好きなら告白すればいいのに。」




リクも佑紀も簡単に言ってくれる


近いからこそできないんだよ。




乙「よし、
ここならわからないな。」


柏「なんかストーカーみたい。」


乙「それだったら佑紀も同罪だかんな。」


柏「なんで?」


乙「一緒についてきてんじゃん。」


友「あ…。」




壁に隠れて告白シーンを密かに見守る


好きな人のこんな場面見たくないけどリクに言われたことを確かめてみたい。




「大島。」


優「なに?」


「俺大島のことが好きなんだ。
だから付き合ってください!」


優「ごめんなさい…。
私好きな人がいるから…。」




頭を下げ手を出した男をその場で振る


好きな人がいるなら当然な結果だろう。




「そっか…。
その好きな人って乙輝?」


優「それよく言われるんだけど違うよ。」


「じゃあ誰?」


優「私はリクが好き。
だからごめん。」


「ならしょうがないか。でもありがとう。
なんかすっきりしたよ。」


乙「は…はははっ……。」




俺は告白を見届けるとその場にしゃがみ込んだ。




柏「乙輝?」


乙「やっぱリクが好きなんじゃん…。」


柏「…泣いてるの?」




少しでも期待した自分が恥ずかしい


わかってたはずだけどリクの言葉にすがりつきたかった


もう無理だったんだ…。




柏「乙輝…。」




我慢すんのも気持ちを抑えるのも限界だ。




乙「俺は優子に伝えない…。」


柏「え?」


乙「優子には大会の日を伝えない。
優子はリクと結ばれるべきなんだ…。」


柏「…いいの?」


乙「あぁ…。」





優子が幸せになれるなら俺は不幸でいい。





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