トライアングル

□第7章
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乙「失恋…か…。」


柏「告白もしてないじゃん。」


乙「したようなもんだろ…。」


柏「このまま諦めるのだけはやめなよ。」


乙「なんでさ…。」


柏「カッコ悪いよ。
なにもせずに手を引くのは。」


乙「佑紀…。」


柏「俺でもそんなことしない。」


乙「…そうだな。」




確かに諦めるのはカッコ悪いよな


リクに言われた通り少しだけ自分を大切にしてみるか。




優「あっ乙輝だ。」


乙「うっわぁぁぁっ!!」




突然優子が現れてまさかバレると思わなくて


驚きのあまり壁に頭を思いきりぶつけた。




優「そんなに驚かなくてもっ。」


乙「いっつ〜…。」


優「大丈夫?」


乙「あ、あぁ。」


優「佑紀くんもこんなところでなにしてたの?」


柏「俺は乙輝の付き添いだよ。」


優「付き添いって…。
もしかしてさっきの見てた?」


乙「まぁ…な…。」


優「そっか…。」


乙「優子リクに告白されたんだろ?」


優「え、なんで知って…。」


乙「リクから聞いた。
よかったじゃんこれで両想いだろ?
良い返事してやれよ。」




この時優子の目を見てちゃんと言えなかった。



見たら気持ちが揺らぎそうで…。




乙「あいつ今度大会なんだってさ。」


優「大会?」


乙「行ってやれよ?
絶対見にきてほしいはずだから。」


優「乙輝は?」


乙「今回は出ないから見に来なくていいよ。」


優「わかった…。」




優子を応援するためには嘘をつくしかない


ほんとはレギュラーに選ばれて大会に出場する


優子に見にきてほしくてしょうがない。



けど大会の日にちが重なるなら俺は手を引く


運良くまだ優子にレギュラーに選ばれたことは話してない。




乙「じゃあな。」


柏「乙輝!」




教室に戻る俺を止めたのは友紀。




柏「言いなよ。
来てほしいって。」


乙「言わない。
佑紀も絶対に言うなよ。」


柏「けど…。」


乙「もう決めたんだ…。」




佑紀は優しい


俺の為にこんなにも必死になってくれて


どうにかして俺と優子がくっつくようにしたがってる。



すげぇ嬉しいよ?


でも…ごめん…


俺が優子の背中を押してやらないと2人がくっつけないから。





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