トライアングル

□第8章
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乙「お前帰れよ…。」


優「え?」


乙「大会も終わったし今更来たってなんもねぇぞ。」


優「…っ」



私はその無責任な言葉にムカついて乙輝の正面に立って心にしまったものを口にした。



優「それは乙輝が教えてくれなかったからでしょ!?
私がリクを好きって知ったからってなんで何も教えてくれないの?
小さい頃からどんなことあっても乙輝の応援は行ってたし来てって言ってくれてたじゃん!
好きだからなに?
俺の応援来てって言えばいいじゃない!」



自分で言ってなぜか自然と涙が流れる

私が声を荒げると初めて乙輝が私を見た。



優「乙輝は優しすぎる…。
もっとワガママになりなよ!」



そう言った瞬間腕を引かれ気づいた時には乙輝とキスしていた。


突然のことに動けないでいると乙輝はお構いなしにどんどん深くしていく



優「…んっ!」



我に返って突き放すけど乙輝は変わらず私を見ていた。



乙「ワガママになっていんだろ…。」



そう一言だけ言ってまた唇を重ねられる

もう一度突き放せば多分止めてくれると思うけど私にはできなかった。


キスから伝わる乙輝の思いが苦しくて…。


私は傘を持つ手を離し乙輝の首に腕を回してその思いを受け止めた。


どうしてキスを拒まなかったのかも首に腕を回してそれに応えたのかもわからない


ただ今は1人にはできない

乙輝を受け止めてあげたかった。



乙「優子…。」



雨の中しばらくして唇を離すとぎゅっと抱きしめられた。



優「なに…?」


乙「来てくれてありがとな
嬉しかった…。」


優「大会終わった後だけどね。」


乙「それでもリクの試合を中断してまで来てくれたのが嬉しかったんだ。」


優「そっか…。」



視線が交じり合って軽くキスをされれば小さく笑い合った。



優「乙輝の体冷たい…。」


乙「優子は下着透けてる…。」


優「ちょ、ちょっと!」


乙「ハハッ、
シャワー浴びて帰るか。」



傘を拾い私にさしてくれてそれから一回もこっちを見ることなくシャワールームに連れて行ってくれた。




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