トライアングル

□第10章
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っていうことがあって今日は大丈夫かなって思ってたら


何を心配してたのか馬鹿らしくなるくらい普段通りの乙輝に戻ってた。


風邪ひいて2日くらい休んでたけどなんだか一安心。


柏「よかった…。」


乙「何が?」


柏「なんでもないよ。
そういえば風邪大丈夫だった?」


乙「あー
全然大丈夫だよ
熱出ただけだったし。」


柏「そっか。」


乙「じゃあ俺部活行くな。」


柏「うん、また明日。」



そう言って一度教室から出て行ったけど少ししたら戻って来た。



柏「どうしたの?」
なにか忘れ物?


乙「いや、そうじゃなくて…。」


柏「なに?」


乙「ありがとな色々。
佑紀のおかげで立ち直れた。」


柏「乙輝…。」


乙「じゃあな。」



やっぱりいつもの乙輝がいい


カッコイイ親友が戻ってよかった。



柏「そろそろ行かなきゃな。」



今日はある子に呼ばれてて待ち合わせ場所に行くともう彼女は待っていた。



柏「お待たせ優子ちゃん。」


優「ううん、
ごめんね呼び出したりなんかして。」



話がしたいって俺を呼んだのは優子ちゃん


多分教室だと乙輝がいるからこうやったんだと思う。



柏「大丈夫だよ
それで話って?」


優「まずは大会の日呼びに来てくれてありがとう
佑紀くんが言った以上に落ち込んでた。」


柏「やっぱり…。
でも今日元気だったってことはなにかあった?」



そう聞くと一瞬顔を赤くした後深呼吸をしてあの日あったことを話してくれた。



柏「乙輝溜まって多分全部吐き出しちゃったんだ。」


優「言われるまで全く気づかなかったの
乙輝が私のこと好きだって。」


柏「それは仕方ないよ。
だって優子ちゃんはリクくんのことがずっと好きだったんだから。」


優「そのことなんだけど…。」


柏「どうしたの?」


優「私乙輝のことも好きなのかなって。」



それが本当ならこんなに嬉しいことはない


けどキスされたから意識しちゃってるだけかもしれない


もう乙輝には落ち込んで欲しくないから俺は優子ちゃんがどうしてそう思うのか聞いてみた。



柏「どうしてそう思ったの?」


優「前から乙輝に対してよくわからない感情はあったの。
ファンの子に囲まれたりしてるの見てるとなんか胸が苦しくなったり
頭撫でられるとどこかずっとそうしてて欲しいって思う自分がいたり…。」


柏「それって…。」



前から乙輝のことが好きだったってことなんじゃ。



優「私はリクが好きなのになんでこんな気持ちになるのかわからなったの。
でも乙輝にキスされて自分の本当の気持ちに気づいたっていうか…。」



柏「優子ちゃんはリクくんのこと好き?」


優「うん。」


柏「じゃあ乙輝とリクくんどっちが女の子に囲まれたらイヤ?」


優「乙輝…かな。」


柏「そばで笑ってて欲しいって思うのは?」


優「乙…輝…?」


柏「近くにいて安心するのは?」


優「乙輝。」


柏「優子ちゃん
自分でもわかったと思ったけど優子ちゃんは乙輝が好きなんだよ。」


優「でもリクは…?」


柏「リクくんのことも好きだと思うよ?
でも自分でも知らないうちに乙輝のことも好きになってたんだよ。
俺は幼馴染がいないからわからないけど近くにいすぎてわからなかったんじゃないかな。
あるいは認めたくなかったのか。」


優「…多分自分でも心のどこかで気づいてたんだと思う。
友達の恋話とか聞いてると大抵当てはまるのリクじゃなくて乙輝なんだもん。」



そう言う優子ちゃんはすっごく優しい顔をしていた。


なんか自覚したら本当に乙輝のこと好きなんだなって。



柏「でもこれで両想いだね。
あ、でも乙輝は優子ちゃんのとリクくんが両想いだと思ってるのか…。」


優「そこは大丈夫
自分でなんとかするから。」


柏「じゃあ頑張って
応援してるから。」



優「ありがとう。」



優子ちゃんも三角関係のど真ん中にいて大変だろうけど本当に頑張って欲しい


乙輝の変な頑固さも幼馴染の優子ちゃんならどうにかできると思うし


いつもはこんなめんどくさいことしないけど親友の笑顔が見られるならたまには悪くないかな。





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