トライアングル

□第14章
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リク「それから今まで俺にだけ向けられてたあの笑顔が乙輝にも向けられるようになって、
それで俺は焦ってあっちゃんと別れたんだ。」



優「あの笑顔?」



リク「これは自分じゃわかんないよ
乙輝ならわかると思うけどね。」



優「…それで好きの意味が違うってなに?」



リク「本当は教えるの嫌なんだけど今日ゆうちゃんとデートして言ってあげた方がいいと思ったから言うね。」



優「うん。」



リク「ゆうちゃん多分もう俺のこと好きじゃないよ
本当に好きなのは乙輝だよね?」



優「え?」





そんなこと…


確かに友紀くんに相談した時乙輝のことが好きってわかったけど


2人とも同じくらい好きだから迷ってるはずなのに。





リク「自分で言うのはちょっと恥ずかしいんだけど
俺に対する好きは昔好きだったから今も好きっていう思い込みじゃないかな。」



優「どういうこと?」



リク「急に幼馴染が好きな人に変わってゆうちゃんもありえないって思いたかったんじゃない?
乙輝はただの幼馴染
私が好きなのはリクだって。」






リクの言う通りだった。



前からよくわからない感情があって


それが告白によってそれがなにか気づいた時


私は気づかぬふりをしたかった。



リクを好きな自分でいたかったのかもしれない。





リク「今日デートしててもゆうちゃんはずっと乙輝のこと考えてるみたいで上の空だった
それがもう乙輝を好きな証明だよ。」



優「リク…。」



リク「自分の気持ちに素直になってあげな?」





リクに優しくそう言われると自分の中の見て見ぬ振りをしていた気持ちが見えて来た。



きっと友紀くんに相談したあの時から…


ううん、

乙輝と一緒にいてよくわからない感情になったあの時からもう好きだったんだ。




優「ってことは私のせいであっちゃんと別れちゃったんだね…。」



リク「それは違うよ
きっと俺はゆうちゃんが乙輝を最初から好きでもあっちゃんと別れてた
だって俺がゆうちゃんを好きになっちゃったんだもん。」



優「リク…。」



リク「これからは自分の気持ちに正直にね。」



優「ありがとうリク。」



リク「あ、でも2人がくっつくまでは今まで通りアタックさせてもらうよ?
簡単にゆうちゃんを乙輝に渡したくないから。」



優「ふふっ、わかった。」









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