トライアングル

□第15章
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乙「材料は好きなもん使ってくれていいから。」



高「食べたいものとかありますか?」



乙「なんでもいい!
今ならどんなもんでも食える。」



高「わかりました。」




勉強教えにきたつもりがなぜかご飯を作ることに

でも結果的にはこれでよかったのかもしれない。


凄くお腹空いてるみたいだからまず早く食べられるように卵焼きを作ってるとなぜか如月くんが後ろに…。




乙「ヘぇ〜上手いもんだな。」


高「そ、そうですか?」


乙「てっきり高橋料理とか苦手だと思ってた。」


高「料理には少し自信があるんです
まず卵焼きどうぞ。」


乙「ありがとう、いただきます
うん、美味い!美味いよ高橋!」


高「ありがとうございます//」




よかった〜

後ろに立たれて緊張したけど上手くできたみたい。




乙「そういやいつまでも敬語じゃなくていいぜ?」


高「え、で、でもっ。」


乙「でもじゃねぇよ
あと如月くんじゃなくて乙輝でいいよ
俺たちもう友達だろ?」


高「友…達…?」


乙「そうじゃなかったら家になんか上げねぇよ。」




ずっとあっちゃんの友達って思われてると思ってた

如月くんを乙輝くんて呼べるなんて思ってなかった

こうして自分の作った料理を食べてもらえるなんて考えてすらない

帰ったらあっちゃんに土下座して感謝しよう…。



高「ぐすっ…
ありがとう…い、乙輝くん…。」


乙「泣くなよ…。」




嬉しくて思わず涙が出ると乙輝くんが涙を拭って頭を撫でてくれた。


もう高橋死んでもいい…。


このあと乙輝くんのお腹がいっぱいになるまで作ってたら18時を回っていた。




高「あ、そろそろ帰らなきゃ。」


乙「ごめんな?
なんか飯作らせるだけになっちゃって。」


高「ううん、
なんかすごく楽しかったよ。」


乙「そりゃよかった。
家まで送ってこうか?」


高「まだ明るいから大丈夫
ありがとう乙輝くん。」


乙「あぁ、また明日な。」




幸せな気分で乙輝くんの家を出ると目の前によく知ってる人が立っていた。




高「優子…。」


優「…たかみなこんなとこで何してるの?」


高「ご飯作ってあげてただけだよ
優子こそ用事は終わったの?」


優「うん…まぁ…。」




どうしようあっちゃん

今の私すごく強気でいられるかもしれない。




高「優子に言っておきたいことがあるの。」


優「なに?」


高「私乙輝くんのことが好き。」


優「そう…なんだ…。」


高「だから優子には絶対負けない。」


優「変わったね…。」


高「あっちゃんにも応援してもらってるし…
何もしてない優子に乙輝くんを取られるのはイヤだから。」


優「たかみな…。」


高「それだけ、じゃあね。」




2人は両思いなのかもしれない

でも私だって乙輝くんが好き

入学式で会ったあの日からずっと…。


付き合ってないってことは私にもまだ希望はある

あっちゃんには本当に感謝ばっかり

背中を押してもらえなかったらこんな風にはなれなかった。


あっちゃんの行為ムダになんかしない

絶対乙輝くんを振り向かせてみせる。


ってその日は強気でいられたんだけど

次の日になったらまた恥ずかしくて声すらかけられなくなってました…。





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