トライアングル

□第16章
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俺がペナルティーを終えたのは20時を回った頃だった。





乙「はぁ…はぁ…
バスケ部もう終わったかな…。」





さすがに今日は疲れた


グラウンドで寝転がってると上からタオルが降ってきた。





優「お疲れ
どうだった?部活。」



乙「優子か…
見ての通り今ペナルティー終わったとこだよ。」



優「自業自得だね
…ってどこ見てんの?」



乙「ピンク…。」



優「変態。」





優子が俺の顔の横で仁王立ちするもんだからつい首を動かして上を見ると可愛いピンクのフリルが見えた…


まぁその瞬間思いっきり体を蹴っ飛ばされたけど。





乙「いってぇ〜…
顔の真横に仁王立ちする優子が悪い。」



優「乙輝もそういう趣味ちゃんとあるんだね
いつも部屋に何も置いてないから何もないと思ってた。」



乙「覗きの趣味なんかねぇよ
つーか毎回人の部屋確認してたのか?」



優「乙輝はどういうの見てんのかなぁって思って。」



乙「簡単に見つかる場所に置いとくわけねぇだろうが
ったく、着替えて来るから待ってな。」





俺の部屋にエロ本がなくて当然


優子には悪いけど俺は勝手に幼馴染をおかずに抜いてたからそういうのはない


まぁ絶対こんなこと言えねぇけどな。



このあと一緒に帰り風呂と夕飯を済まし俺の部屋にまたやってきた。





優「本当にないのー?」



乙「男の部屋を探し回るな。」



優「はーい
そういえばもうすぐ夏休みだね。」



乙「祭りと海はマストだよなー。」



優「でも今年は4人では遊べないかもしれないね…。」



乙「優子…。」





確かにここ数ヶ月で俺たちの仲はこじれすぎた


でもだからと言って遊べないわけじゃないと思う


俺はベッドに座り落ち込む優子の頭を撫でた。





乙「確かに4人では無理かもしれない
けどそこに友紀や高橋がいたら大丈夫だろ。」



優「乙輝…。」



乙「今年は6人で楽しもうぜ。」



優「そうだね。」





やっぱり優子は悲しんでる顔より笑顔の方がいい


俺まで笑顔になれるからな。




優「乙輝ってラスト夏祭り誰かと行く約束してる?」



乙「毎年行ってるあの夏休みギリギリにやるやつか
いや、まだ誰とも約束してないけど。」





ラスト夏祭り


夏休み最後の日にやる小さな夏祭りで名前もないから俺たちはラスト夏祭りって呼んでる


小さい時から毎年行ってる夏祭りで去年は4人で行ったかな。





優「じゃあ私といかない…?」



乙「優子と?
いいけど改めて約束するなんて珍しいな
いつもは当日ふらっと来て連れ出してくのに。」



優「今年はちょっと…約束したいなぁって思って…。」





なんか優子可愛すぎるんだけど…


そういう表情されると俺だって勘違いするぞ。



聞くときは不安そうで了承すると少し照れながら喜んでる


初めて見る俺に対してのこの表情


どうしようもなくキスしたくなったけどなんとかその気持ちを押さえ込んで


じゃれたフリして可愛いすぎる幼馴染を抱きしめた。





優「ふふっ、どうしたの?」



乙「優子がかわいすぎるなぁって思って…。」



優「なにそれー
でも嬉しい、ありがとう。」





優子の瞳はいつになったら俺だけを見てくれるんだろう…


リクを見てる彼女にそれを望むのは不可能なことか


けどせめて2人きりのときは優子を独占させてもらう


今だけは…俺を見て…。








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