トライアングル

□第19章
2ページ/5ページ




「そういえば今日なに買うんだ?」


「新しい水着買おうと思って。」


「前見に行かなかったっけ?」


「前のは下見
それにまた新しいの出てるみたいだし。」


「そうなんだ
じゃあ俺も新しいの買っとくかな。」


「私が選んであげるよ
だから乙輝は私の選んでね!」


「いいぜ。」




乙輝と2人で買い物とかいくのは久しぶりだけどこうして一緒にいると改めて思うことがある

本人は全く気づいてないんだけどすれ違う女の人みんな乙輝のことを見てるってこと。


ちょっとぐらい視線に気づいてもいいと思うんだけど

気づいたら気づいたで笑顔で返しちゃうから無自覚って怖いよね。




「優子ー
水着売り場着いたぜー。」


「え?あーうん。」


「確かに前来た時より増えてるな。」


「そうでしょ?
前は赤がいいって言ってたよね。」


「けど赤じゃなくてもいいかも…。」




そう言うとなぜか私より真剣に水着を選び始めた。


女性の水着売り場で男1人物色してて恥ずかしさとかないのかな…。




「これ可愛いな…こっちもいい…。」


「乙輝これとかどう?」


「んー
悪くないけど俺はこっちの方が好みだな。」




…自分の好みで選んでるんだ。


自分でも探しつつしばらく待っていると乙輝がいくつか水着を持ってやって来た

ちょっと異様な光景…。




「とりあえず3つ選んでみた。」


「3つも?」


「チェック2種類と花柄
とりあえず着てみて。」


「き、着るの!?」


「じゃないとわかんねぇーだろ?
前は自分から着てきたのに。」


「…ちょっと待ってて。」




前は乙輝のことなんとも思ってなかったから平気だっただけ

好きな人の前で水着披露するのって恥ずかしいんだから…

ただ見せて喜んでくれるのは嬉しいんだけどね。




「…ど、どう?」


「そうだな…。」




カーテンを少しだけ開けて乙輝が私をじっくり見てくる

それがすっごく恥ずかしくて自分でも顔が赤くなってくるのがわかった。




「じゃあ次。」


「う、うん//」




そのあと残りの2着も同じようにじっくり見られ早くこの時間が終わってほしかった。




「優子はどれが良かった?」


「んー
1つ目のチェックかな。」


「俺もそれが一番似合ってると思ったよ。」


「あ、ありがとう//」


「じゃあ残りの2着返してくるな。」


「うん
じゃあ着替えるから待ってて。」




私は私ですごく恥ずかしかったけど

乙輝は乙輝で選び終わってカーテンを閉めたあと

赤面してその場でしばらく蹲ってたのを私は知らない。





.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ