トライアングル

□第18章
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ゆうちゃんが帰ると乙輝は不思議そうに俺を見ていた。




乙「優子じゃなくてなんで俺なんだ?」


リク「なんか久しぶりに乙輝と帰りたいなーって思って。」


乙「まぁいいけどさ…。」




久しぶりってのもあるしゆうちゃんのこともあって帰宅中の会話はない

前はたわいもない会話してたけど今は乙輝からは話しにくいのかも。




乙「….話したいことってなに。」


リク「え?」


乙「普通の会話とかいいから…
優子のことか?」


リク「さすが乙輝鋭いね。」




変な心配はいらなかったかな。




リク「どうしてゆうちゃんに告白した時返事もらわなかったの?」


乙「あの時はべつに付き合いたいとかじゃなくてただ気持ちを伝えたかったんだ
返事のことで優子に悩んで欲しくなかったし。」


リク「相変わらず優しいね。」


乙「リクこそどうなんだよ
別れてまでアタックしてんのに返事もらってねぇの?」


リク「返事もらわなくてもゆうちゃんの気持ちはわかってるから。」


乙「両思いだから返事なんかいらねぇってか?」


リク「…まぁそんなとこ。」




本当は違うんだけど乙輝にゆうちゃんの気持ちを教えるのは悔しいから言わない

っていうか多分乙輝以外周りの人みんなゆうちゃんの好きなひとわかってると思う

前と今じゃ見守ってる方からすれば明らかに態度とか違うもん

気づかない乙輝が逆にすごいよ。


いや…

あの2人はどっちもどっちか

周りに鋭いくせに自分のことに対しては鈍感すぎるんだから。




リク「乙輝はなんで周りのことそんなに優先するんだ?
小さい頃はそうでもなかったじゃん。」


乙「お前があっちゃんと付き合ってからだよ。」


リク「それが理由?」


乙「好きなやつが泣いてたら慰めたくなるだろうが
それにそのことでしばらくの間優子とあっちゃん微妙な感じだったし。」


リク「全然気づかなかった。」


乙「だろうな
俺は4人でいるあの空間が好きだったからそれを守るために周りをフォローしてたんだ
そしたらいつの間にか優しすぎるなんて言われるようになったんだよ。」




これって遠回しに俺のせいって言ってるよね…。




乙「けど別に周りのこと優先するのは苦じゃねぇんだ
3人が笑顔でいてくれたらそれでいいって本当に思ってる。」


リク「でもそれ少し間違ってるよ。」


乙「なんで?」


リク「俺たちからしてみれば乙輝も笑ってくれなきゃダメなんだ
俺は乙輝みたいに周りを優先させたりできないけどゆうちゃんもあっちゃんも気持ちは同じだと思う」


乙「リク…。」




乙輝が4人の時間を大切に思ってるように俺たちだって4人の時間は大切

それをわかってほしい。


ゆうちゃんの気持ちを知った今

自分を犠牲にしてまで周りを大切にする乙輝だから応援したいとか思っちゃったのかな

くっつける気はさらさらないけどね。





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