トライアングル

□第22章
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お昼過ぎ


ご飯を食べて人遊びしたみんながバンガローに戻り始めてきた。




敦「みんな戻ってきた?」


柏「まだリクくんだけかなぁ。」


敦「そっかぁ……ふぁ〜ぁ…」




因みに俺と前田さんは一足先に戻ってきて


俺はベンチで読書彼女は涼しい部屋でさっきまでお昼寝をしていた。




柏「1つ聞いてもいいかな?」


敦「なに?」


柏「前田さんは乙輝を好きになったことはないの?」




乙輝の話を聞いていて思ったんだ。



小さい頃からずっと4人一緒にいたら恋愛に発展してもおかしくない



優子ちゃんはリクがずっと好きだったけど最近乙輝に惹かれ始めて


リクくんも前田さんと付き合ってたけど別れて優子ちゃんと告白した。



もちろん乙輝は優子ちゃん一筋だったんだけど


前田さんはどうだったのかなって。




敦「あるよ。」


柏「え、あるの?」


敦「私の初恋は乙輝だから
でも乙輝が優子好きなの知って諦めちゃった。」


柏「どうやって知ったの?」


敦「見てたらわかるよ
柏木くんもわかるでしょ?」


柏「まぁ余程鈍くなければ誰でもわかるよね。」




その余程鈍い人っていうのが乙輝と優子ちゃんだから困ったもんなんだけど。




敦「あとは優子のこと相談されてたからかな
好きな人に好きな子の相談されたら諦めるしかないよ
乙輝の一途さはわかってるから。」




そう懐かしそうに話す前田さんの視線の先には優子ちゃんと笑いながら帰ってくる乙輝がいた。




敦「でも少し申し訳なく思うんだ
乙輝が優しすぎるのはきっと私たち3人のせいだから。」


柏「私たちのせい?」




そこから前田さんは中学の時の4人の関係を話してくれた。



そういえば前乙輝に同じような話されたことあったっけ…


中学の時の乙輝の気持ちを考えると胸が張り裂けそうになる


今もこうして笑って4人一緒にいられるのは彼の強さと優しさのおかげなんだろうな。




乙「あっちゃん全員帰ってきた?」


敦「まだたかみなが帰ってきてないみたい。」


乙「俺探しにって来るよ
変な男に絡まれてたら大変だし。」


敦「じゃあもしたかみな帰ってきたら連絡するね。」


乙「おう!」


敦「柏木くん…。」




乙輝が探しに行った後ボソッと前田さんが名前を呼んだ。




敦「乙輝の気持ちを知った上で私はたかみなを応援するよ。」


柏「どうして…。」


敦「あんなに一途に思ってるのに優子ってば振り向かないんだもん
それにたかみなには後悔して欲しくないから。」




乙輝は大変な人を敵にしてしまったのかもしれない


高橋さんのバックには前田がついてる


探しに行ってなにもなければいいけど…。




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