トライアングル

□第23章
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「空見てみろよ。」



「え?」




上を見上げると満遍の星空が広がっていた。




「うわぁ……凄い綺麗……。」




いつも見てる星空とは比べ物にならない程綺麗だった。




「すげぇよな
ちょっと都会から外れるだけでこんなに綺麗に見えるんだからさ。」



「うん…
天気も良かったから満天の星空って感じ。」




本当に星空綺麗なんだけど気になるのは掴まれたままの右手


全然離す気配ないしそもそも繋いだままっての気づいてるのかな…。



「乙輝?」



「ん?」



「この右手…。」



「あー、イヤだった?」



「別にイヤじゃないけど…。」



「じゃあこのままでもいいだろ?
今の間だけだからさ。」




星を見ながらいう乙輝の表情を見たら頷くしかなかった。



まぁ好きだから別に振りほどいたりしないんだけどさ


乙輝は今の間だけっていうのをよく使ってくる


初めてキスされた時も初めて告白された時もそのあとのキスも…


全部あの一瞬だけの出来事であとに気持ちを引っ張ったりしない


だから私は彼の気持ちが分からなくなるんだ。



あの一方的な告白以降なにも言ってこないけど行動では何回か示してくる


私は一回一回の出来事にドキドキしていつの間にかどんどん好きになってってるけど乙輝はどうなんだろう


今も好きでいてくれるのかな…


そう思っても違うって言われるのが怖くて聞くことができない


優子が返事するだけじゃんとも何人かに言われたけど簡単に言えないよ…。




「そういや最近リクとはどうなんだ?」



「え?」



「仲良くいってんの?」



「別に普通だけど…。」




こうやって人の気も知らずにリクのこと聞いてくるから余計に分からない


そりゃリク好きだったし幸せを願ってるって言われるのも嬉しいけど


もうちょっと自分の気持ちを優先してくれてもいいのになとも思う。




「はぁ…。」



「なんだよため息ついてさ。」



「誰かさんのせいでね。」



「誰かさんって俺しかいねぇじゃんかよ。」



「知らなーい。」




自分の胸に手当てて聞いてみろっての。





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