トライアングル

□第23章
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そっからしばらく2人共喋らず景色を眺めてたら乙輝がいきなり立ち上がった。




「ど、どうかした?」



「今から言うことに対して返事とかいらねぇから。」



「え?」



「なんか聞こえた程度でいいしっ。」



「なに?」




変になんか弁明すると緊張してるのか深呼吸をし始めた。





「そんなに緊張することなの?」



「いいから…。」




笑いながらそういうも真剣みたいでああは言われたものの私もちゃんと聞かなきゃいけないと思って立ち上がった。




「優子、お前が好きだ。」



「………へ?」




まさか2度目の告白だなんて思わなくて間抜けな声が出てしまった。





「優子に好きな人と幸せになれって言ったけどほんとはリクに渡したくない。」



「乙輝…。」



「だからあいつのとこなんか行くな
俺と付き合ってほしい。」




乙輝はそのガチ告白の言葉を一度も私を見ることなく真っ直ぐ海を見つめたまま言った。



不安になってる矢先に安心させてくれる言葉をくれるんだから….


それにリクを好きだと思って聞き流してくれていいって言うなんてやっぱり乙輝は優しいね。



複雑な感情もあるけどやっぱり嬉しくて後ろから抱きついた。




「ゆ、優子っ//」




抱きついたら背中越しでもわかるくらい乙輝の胸の音が伝わってくる


余りの音に笑えてきてしまうほどだけどそれくらい緊張してたんだね。




「….本当に聞き流してもいいの?」



「え…?」



「最初の時もだけど2回とも私の返事聞かないの?」



「それは….。」




多分聞かなくてもわかるって思ってるんだろうなぁ


好きな相手はリクだろうって


違うとも知らずにバカなんだから。




「それもそうだな
俺も逃げてばっかいられねぇし…
じゃあ一週間後。」




そう言って腰に回る私の手の上に彼は自分の手を重ねた。




「ラスト夏祭り一緒に行くだろ?
その時返事聞かせて…
どちらにせよやっぱ一回は返事聞いとかないとモヤモヤするもんな。」



「わかった
その時に私の気持ちハッキリ伝えるね。」



「あぁ….。」




今度こそちゃんと伝えるから


乙輝が逃げずに向き合ってくれたんだから私もこの気持ちにちゃんと答えを出すよ。





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