トライアングル

□第27章
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敦「何があったの?
私たちがいなくなった後優子と。」


乙「実はさ…。」



乙輝はあの日のことをゆっくり話してくれた。


たかみなにされたお願いのこと

その行動を優子に誤解されたこと

そして優子から言われた悲しい一言を。



敦「それってやっぱりたかみなのせい?」


乙「違う、高橋は関係ない
全部俺が悪いんだ。」


敦「乙輝…。」


乙「俺がちゃんと断っていれば誤解されることなんてなかった
優子を傷つけることなんてなかったんだ…。」



そうだとしても全部乙輝が悪いなんてことない

誤解されるようなお願いをしたたかみなも

それを早とちりして酷いことを言った優子もみんな悪い

それでも全部自分のせいにする乙輝はやっぱり優しすぎる。



乙「でもまさか優子に軽い男だって思われてるなんて思ってもみなかったよ…。」


敦「それは優子だって本気で言ったんじゃ…。」


乙「わかってる…
けど思わず言っちゃったんだとしてもショックだったんだ…。」


敦「乙輝…。」


乙「友達に言われるなら笑って過ごせるけど
好きな子に言われるとやっぱキツイな…。」



そういう彼は今にも消えてしまいそうで…

見てられなくなった私は座ってる乙輝の正面に立って腕を広げた。



乙「あっちゃん…?」


敦「今優子はいない。」


乙「え?」


敦「リクもたかみなもみんないない
私だけだから…
だから泣いていいんだよ
乙輝が前胸を貸してくれたように今度は私が乙輝に胸貸してあげる。」


乙「あっちゃんっ…。」



乙輝は私の腕を引っ張り膝の上に座らると肩に頭を置いて静かに泣き始めた。


震える肩と痛いくらいに腰に回る腕が彼の心の辛さを感じさせる

ほんとは誰かのせいにしたいはずなのに全部自分で背負いこんで…

このままいつもの乙輝でいたらきっとどこかで爆発してた。



敦「大丈夫だよ…
絶対また優子と仲直りできるから。」



この後彼が落ち着くまで私は優しく抱きしめて頭を撫で続けた。




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