ヤンキーの俺と清楚な彼女

□出会い
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外に出ると俺はあることに気がついた。

そう、一台しかない自転車が無くなっていたのだ。

つまり姉ちゃんは冴江との通学に俺の自転車を使った。



ふざけんじゃねぇー!!



「はぁ、これで遅刻確定じゃん」


ヤンキーの俺でも指導がめんどくさい為遅刻はしない。

それなのに姉ちゃんのせいで遅刻決定。


「仕方ねぇ、歩いていくか」


俺はとぼとぼと学校に向かい歩き出した。



いつもは学校まで10分の道のりを30分かけて歩く。

めんどくせぇ…。

その言葉以外の何物でもない。


なんかねぇかなぁと思ってる矢先、

なにやらもめている女1人と男4人。

とりあえず様子をうかがった。


「お前可愛い顔してんなぁ」

「ちょっ、やめてくださいッ」

「怒った顔も可愛いじゃん」

「学校なんか行かずに俺らと遊ぼーよ」


そのうちの1人が女の手を掴んだ。


「いいじゃねぇか行こうぜ」

「離してくださいッ!」


……完ぺきにナンパじゃねぇかよ。

俺もこれを無視するほど無神経な奴じゃねぇし、

いっちょ助けてやるか。


「おい、朝っぱらからナンパか?」

「あん?なんだてめぇ」
「嫌がってんだろうが、手離せよ」

「うっせぇ!邪魔するならただじゃおかねぇぞ!」

「別に良いけどただじゃすまなくなるのは…、お前らだぜ?」

「舐めやがって…」

「先ずはお前から相手してやるよ!」


男が手を離し俺に向かうと女はへなへなとその場に座り込んだ。

そらそうだ、

俺4人に囲まれちゃ誰だって怖い。
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