ヤンキーの俺と清楚な彼女

□ヤンキー集団黒龍
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みんなとその後も恋愛話を繰り広げていた。



陽菜がツンデレで可愛いだとか、


冴江が格好良すぎてヤバいだとか、


南がヘタレだとか。


平和だなぁと思っていたその時、

俺の携帯が震えた。



「もしもし」

「蓮!大変なの!」

「どうした?」

「天竜の奴らがいきなり攻めてきて大変なことになってる」



その電話は俺が属しているヤンキー集団の副総長、

藍と馨から危険を知らせるものだった。



「チッ、攻めるタイミングを早めてきたか…」



天竜とは前から対立していて最近警戒していた集団。

あいつらだけに任せるわけにはいかない。



「わかった、今すぐ行くからお前らが仕切って対応しろ」

「わかった」



電話を着ると心配そうに姉ちゃんが俺を見ていた。



「また…、喧嘩?」

「あぁ…。
南、教師に早退するって伝えといて」

「わ、わかった」


「蓮!」



姉ちゃんはいつもそうだ。

喧嘩をしにいこうとすると泣きそうな顔をする。



「姉ちゃん…」

「行くの…?」


「仲間が必死に戦ってるのに総長の俺が逃げることなんてできねぇよ」



俺は冴江に視線を送った。

そして冴江が頷いたのを確認すると屋上から出ていった。



そして俺がいなくなった屋上ではこんなことを話していたらしい。


「りんちゃん…」

「蓮にとっては喧嘩が最優先」

「仲間もいるんだし仕方ねぇよ」



落ち込む由紀の頭を冴江が優しく撫でた。


「大丈夫だよ。
ちょっと無鉄砲だけど蓮は強いから」


みんなの空気が沈んでいると扉が開いた。
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