ヤンキーの俺と清楚な彼女

□on the day
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玲奈の家に行くと部活の服を着た少年が家から出てきた。


「行ってきまーす」


家を出た少年は「あっ」という表情をして俺に駆け寄ってきた。


「もしかしてお姉ちゃんの彼氏の蓮さんですか?」

「そうだけど」

「僕弟の珠璃って言います!
デート何ですよね?
今から呼んできます!」

「あ、おい!」


家に入りそうになった珠璃を呼び止めた。


「なんでデートだって知ってんだ?」

「昨日お姉ちゃんが嬉しそうに話してましたから。
明日は彼氏とデートなんだって」

「そうなんだ」

「じゃあ呼んできますね」

「あぁ、頼む」



そっかぁ〜

玲奈俺とのデート楽しみにしてくれてたんだ

直接じゃねぇけどやっぱ嬉しいよな。


珠璃が戻ってくるとその後ろから玲奈も出てきた。


「珍しいね
蓮が朝起きて迎えにくるなんて」

「偶々早起きできてさ
誕生日だし、迎えに着てみた」

「嬉しいよ」


笑顔で言う玲奈は本当に嬉しそうだった。


「僕部活なんでもう行きますね。
また今度遊びに着てください!」

「あぁ」

「気をつけてね」


珠璃が部活に行き、

改めて見るとすっごい可愛かった。


「どうしたの?」

「玲奈スッゲェ可愛いな‥。
黒のスカートも似合ってるし、
めっちゃくちゃ可愛い」

「そうかな?//
蓮もカッコいいよっ
あ、分け目変えたんだね」

「気づいた?
右から左に変えたんだ」

「うん、すっごい似合ってる//」

「そっか…//
まっ、行こうぜ」


玲奈と手を繋いでまずは駅に行った。



「人多いね…」


休日は駅に人が集まる。

人混みは苦手だけど水族館に行くには満員電車に乗らなければ行けない。


切符を買い電車に乗るも、

人が多すぎて玲奈が埋もれてる。

これじゃあ痴漢されるかもしれねぇしあぶねぇな…。


「玲奈こっち」

「う、うんっ」


少し強引だけど腕を引っ張り、

自分と扉の間に玲奈を挟み込む。

更に窮屈だろうから両手を伸ばして空間を作った。


「大丈夫?」

「あぁ。
でもこれで痴漢はされねぇな」

「痴漢なんてされないよ」


大切なことなのに玲奈はあまり気にしていない様子だった。



「うわっと」


電車が大きく揺れ玲奈を包み込む形になる。


あ、これいいな


そう思って抱きしめていると少し肩を押された。


「恥ずかしいよ…//」

「玲奈を守るためだって」

「でも…」

「そんなこと気にしてないで俺に掴まってろ」


この満員電車の中

反抗しても無駄だと思ったのか

脇らへんの服を掴み肩に顔を埋めた。


「大胆なんだね…」

「俺以外の男から守ってんだよ」

「誰も私なんて興味ないのに…」

「玲奈はもっと男に注意しといた方がいいぜ」



目の前に白い首筋があったから唇をつけた。


「ちょっと蓮//」

「男除けだよ」

「ん…ぁ…れ…んっ//」


髪の毛で隠れるギリギリのところにキスマークをつけた。

俺のだって印。


デート中ではあるけどこれくらいしとかなきゃ玲奈は危ない。


「ばぁかぁ…」

「ごめんって…」


玲奈は俺の服に口をくっつけて声を我慢してたみたいだ。


「他の人に見られてたらどうするの?」

「俺は全然構わないよ」

「変態…//」

「男ってのは変態な生き物なんだよ」


それから電車を出るまで、

玲奈は首筋を押さえながら顔を服に埋めて隠していた。


俺が電車で気づいたことは

満員電車ってのも悪くない

ってことと、

声を我慢する玲奈は究極に可愛いってこと。
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