ヤンキーの俺と清楚な彼女

□運命のリレー
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「よっしゃぁぁ!」


俺の…負け…


「くそっ!」


地面を叩いても悔しさしか残らなかった。


下を向いてる俺には今矢神がどんな表情をしてるのかわからない


でもきっと優越感に浸ってるんだろうな…


玲奈…

ごめん…


「柏木」


「勝負は勝負だ…
好きにしろ…」


そう言い残して俺はその場から去った。


負けたのにごちゃごちゃ言う奴はカッコ悪い


せめて矢神の前では強がりたかったんだ


俺は行かなきゃ行けないところに行った。


玲奈の元へ…



「蓮っ…」


玲奈は泣きながら抱きついてくる。


この温もりともこれでお別れか…


「別れたくないッ…」


「俺は負けた
約束は守らなきゃいけない」


「蓮はそれで良いの?」


いいわけねぇだろ!

でも約束は破れない…


こんな形で別れるとは思わなかった。


「そういう問題じゃない
嫌でも、
それが勝負なんだ」


俺は自分から玲奈を引き離した。


「れ…ん…」


「別れよう」


「い…ゃ…ぁ…」


「ごめんな…
玲奈…」


俺は初めて
泣いてる玲奈を置いていった。


泣き声に胸が締めつれられる


だけどもうその涙を拭うのは俺じゃない…


辛かった…

苦しかった…


でも今は何も感じない



抜け殻みたいにふわふわする。


玲奈がいなきゃ駄目だったのにっ

自分から手離した…。


「れなっ…」


俺は押し寄せる後悔と寂しさを堪えずにはいられなかった。


初めて心の底から泣いた


耐えられなくて

玲奈がどれだけ俺の中で大きかったか改めて知ったんだ。
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