ヤンキーの俺と清楚な彼女

□近いようで遠い距離
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「俺先行くからっ」


「蓮待てー!」



面倒なことは嫌いだから俺は怒る冴江を置いて家を出た。


全く…

冴江の嫉妬深さには困ったもんだ

毎回あれとか冗談じゃねぇぞ


なんて思いながら自転車を用意してると見覚えのある奴が現れた。



「蓮おはよ!」


「敦子…
お前どうしたんだ?」


「南朝練あったんだけど起きれなくて」


「寝坊して一緒に行けなかったのか」


「うん
だから後ろ乗せて?」


「はぁ?」


「玲奈いないからいいでしょ?
遅刻しちゃうから早くね」



いつの間にかもう後ろ乗ってるし…

まぁしょうがねぇか



「ちゃんと捕まってろよ」


「うん♪」



俺は敦子を載せて自転車をこいだ。



「私ニケツ初めて」


「そうなのか?」


「だって南下手なんだもん」



なんかわかる気がする

あいつふらふらしそうだからな



「きゃっ!」


「あ、わりぃ
急な下り坂あるって言い忘れた」


「ちょっ…怖いっ…」



玲奈と同じように敦子もぎゅっと腰に腕を回し抱きついてきた。



「うおっ」



やべぇ…

玲奈以上に胸が当たる…

敦子胸でけぇぞ?

背中がめちゃくちゃ気持ち良い


こんなこと言ったら南と玲奈に殺されるけど…



「蓮って背中大きいね」


「そうか?
まぁ南よりはでかいか」


「私好きだったんだよ?」


「誰を?」


「蓮のこと」


「………」



…は?

敦子が俺のこと好きだったって?


俺全然気がつかなかった

前からずっと南のこと好きだと思ってたのに



「まじで?」


「そうだよ
色々仕掛けたのに全く気がつかないんだもん」


「わ、わりぃ…」


「今はちゃんと南だけ好きだから
心配しないでね」



敦子は笑ってるけどさ、

改めて言われると変に意識しちまう…


言われた後俺はしばらく普通に喋れなかった。



「着いたぞ」


「ありがとう」


「あぁ…」


「もう好きじゃないから揺れちゃダメだよ?」


「え?」


「なんか気にしてるみたいだから」


「別にそんなこと…」



あるけどよ…

それは敦子があんなこと言うから



「意外と惚れやすいタイプなんだね」


「そんなことねぇし」


「この期間中に玲奈から気持ち変わったらダメだよ」



「変わらねぇって」


「敦子ー」


「あ、南」


「蓮と一緒にきたのか?」


「自転車って知ってたからね」


「ありがとな蓮」


「いや、
ついでだから別にいい」


「うそ〜
嫌がってたくせに」


「面倒だっただけだ」


「なんかごめん」


「お前が謝る必要ねぇよじゃあ俺保健室行くからよろしく」


「また?」


「わかったよ」



教室に来いっていう2人にはわりぃけど

俺にとっては保健室が教室だから


いつものように保健室に行った。
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