キミに伝えたくて2

□誤解と失態
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「玲奈っ!」



廊下に出てみたけど玲奈の姿はない


既に走り去ってしまっていた。



「どこに行っちまったんだよ…」



思い当たる場所を捜してみる


って言ったって教室くらいしか俺は知らない


だから学生を捕まえて手当たり次第に捜した。


でも大学は広すぎて見つかる確率はほぼ0%


会えること事態難しい



「玲奈…」


「俐空どうした?」


「才我…
玲奈が見つからなくてさ」


「いなくなったのか?」


「少し誤解があって…
どっかに行っちまったんだ
思い当たる所は行ったけど見つからない…」



どうにかして誤解だけは解きたい


玲奈とはまだ別れたくないし


早く見つけて抱きしめるんだ



「さっきゆきりんたちと一緒にいたよ」


「ほんとか!?」


「玲奈泣いてたみたいだから
きっと女子は怒ってると思うぞ」


「どこにいたんだ?」


「休憩所
ちゃんと謝ってこいよ」


「おうっ
才我ありがとう!」



俺はすぐに休憩所に行った。



「それは俐空が悪いね」


「ありえな〜い」


「玲奈ちゃんが可哀相…」



部屋の外まで聞こえる会話


それと玲奈の啜り泣く声


うぅっ…

部屋にめっちゃ入りにくいぜ……


めっちゃ怒られるんだろうなぁ〜


けど誤解を解くためには仕方のないことだ。



「…玲奈…」


「俐空浮気したの?」


「し、してない!」


「じゃあどうして玲奈が泣く?」


「俺はなにもしてない
誤解なんだよ」


「誤解?」


「キスしようとしてたわけじゃない
麻里子が躓いて覆い被さってきただけなんだ」


「…玲奈ちゃん」



理解してくれたのか由紀は玲奈を差し出してくれた。



「なに…」


「まだ怒ってる?」


「だって…」


「ん?」



急に玲奈は泣き出してしまった。


泣かせるつもりはなかったんだけど…


とりあえず頭撫でよ


これくらいなら避けられないだろう



「先生が…俐空っ…好きだったら…勝て…ない…」



なんて可愛いこと言うんだよ…


我慢できなくて涙を拭う手を掴み、

自分の胸に抱き寄せる



「俐空っ…」



俺の服を掴むところを見ると


思ってた以上に不安になってたみたいだ。




「俺は玲奈しか女として見てないから」


「うん…」


「不安にさせてごめん
俺が好きなのは玲奈だけだよ」


「さっき…大嫌いって…言って…ごめんなさいっ」


「いいよ
じゃあ本当は?」



俺の胸を押して視線を絡ませる



「大好きっ」



あ〜、可愛い〜

クラッときた…


だから強くぎゅっともう一度抱きしめた。



「俐空?」


「大嫌いって言われたとき凄く悲しかった…」


「ごめんね…」


「今めっちゃ幸せだったからいい」



潤んだ瞳で見つめながら大好きなんて言われてみろ


下手したら気絶する


大嫌いって言われたときの痛みなんて忘れちまうぜ
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