キミに伝えたくて2

□迷う理由
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「玲奈が妊娠してる…」


「そうみたいだな」


「俺どうしたらいいんだろう…
まだ高校生なのに子供作っちまってさ…」


「玲奈はなんて言ってるんだ?」


「産みたいってよ…」



やっぱり…

大好きな俐空との子供だもんな

下ろすなんてまねできるわけないか



「お前はどうしたい?」


「そりゃ玲奈の思い通りにさせてやりたいよ
けど玲奈の親になんて言われるかわかんねぇし、子供が産まれても結婚もできねぇ…」


「だから下ろせって?
ふざけんじゃねぇぞ」


「優…」


「一番大事なのは二人のきもちだろうが
それにもうお前らの子は生きてる
勝手な理由で殺すな」



周りばっか気にしてちゃ何もできねぇ…


俺はどんなに反対されたって
子供ができたら下ろすなんてことはさせない


俐空にもそれくらいの気持ちでいてもらいたいな


俺は立ち上がり俐空の胸ぐらを掴んだ。



「いいか、まず一番に玲奈の気持ちを考えろ
誰より不安なのはあいつなんだから」


「わ、わかってる…」


「高校生だろうと成人だろうと関係ねぇ
子供作ったのは男の責任俐空、お前も男なら筋通せ!」


「……ありがとう…優…」



俐空はフッと笑い俺の手を離させる。


立ち上がって空を見上げた。



「不安なのは俺じゃなくて玲奈だよな…
決めたよ、
ちゃんと産ませる」


「だよな」


「おうっ」



俐空は

“玲奈に会いたい!”

と言って走って去っていった。



「まったく…
世話のかかる弟だぜ」
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