キミに伝えたくて2

□最大の危機2
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「高校生卒業したら2人で家に遊びに来なさい」


「それ、3人でもいいですか?」



その時は突然やってきた

お父さんたちは何のことかわからなくて首を傾げてる


心配そうに俐空を見ると

握っている手は確かに震えていた。



「実は玲奈のお腹の中に子供がいます」


「…え?」


「妊娠…してるんです」


「……嘘…でしょう?」


「すいません…」


「貴様!」


俐空が俯くとお父さんが勢いよく立ち上がる


そして胸ぐらを掴んで俐空を殴り飛ばした。



「いっつー…」


「お父さん!」


「大事な娘になにしてるんだ!!」


「あなた落ち着いて」


「俐空っ大丈夫?」


「あぁ…」



口元は切れ血が流れてる

こうなることくらい覚悟してた


でも実際そうなると覚悟なんてできない…


お父さんに凄く腹が立った。



「ちょっとお父さん!」


「大丈夫だよ」


「でもっ…」


「俺は殴られて当然のことをしたんだ」



私を手で制して言葉を遮る


このときだけは俐空が年上に見えた。



「申し訳ありませんでした」



俐空は正座をして私の両親に頭を下げた



「突然下ろすつもりだな」


「いえ、生むつもりです」


「なに!?
お前になにができる…
何もできないくせに軽い言葉を口にするな!」


「確かに俺は高校生で未成年です
結婚もできませんし支えることできません」


「なら…」


「けど守ることはできます」


「なんだと?」


「玲奈も子供も守って見せます」


「子供が何を…
下ろせ!お前にできることはそれだけだ」


「簡単にそんなこと言わないで下さい」


「私は当たり前のことを言っているだけだ」


「当たり前…?」



俐空はずっと下げていた頭を上げた。
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