キミに伝えたくて2

□最大の危機2
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「子供を殺すことが当たり前ですか…」


「屁理屈を言うな!」


「屁理屈なんかじゃありません
おじさんが言ってることは同じです
お腹の子供はどんなに小さくてももう生きてるんです!
俺にはその命を奪うことなんてできません」


「この…」


「お願いです…」



俐空は再び頭を下げた。



「子供を産むことを許して下さい!」


「…産んでどうする」


「ちゃんと育てます
結婚もして不自由な生活はさせません」


「……勝手にしろ…」



お父さんはしばらく黙った後そう言って部屋から出ていった。



「俐空君、頭を上げて?」



頭を上げて心配そうにお母さんを見つめている。



「大丈夫
勝手にしろってことは認めたってことだから」


「はい…」


「俐空君はどうして子供を産ませたいの?」


「どういうことですか?」


「命を奪うこと意外に理由があるんじゃない?」


「俺、両親がいないんです…」


「えっ…」



俐空に両親がいない…?

お母さんもびっくりしてるけど

私も初めて聞くことでびっくりした。



「血の繋がった人間が誰一人いなくて
天涯孤独なんです…」


「そんな…」


「だから妊娠したって言われたとき素直に嬉しくて
やっと俺の血の繋がった家族ができると…」


「そういうことなのね…」


「だから、お願いします」


「私は反対はしないわよ」


「本当ですか…?」


「ただし、ちゃんと結婚はすること
孫もちゃんと見せに来て」


「はい!」


「じゃあ私も帰るわね
あ、玲奈?」


「なに?」


「体に気をつけて元気な子産むのよ」


「ありがとう…」
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