So long

□第3話
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『…琉夜っ!』


「やっぱり佐玖か…。」


『やっぱりじゃねぇよ!早く理科室のドア開けろ!』



柏木と2人きりになるのに耐えられなくなったんだろう

助けを求めてきた

麻里子とイチャイチャしてる最中の俺に…。



「佐玖から?」


「うん。
ドア開けろだってさ。」


「開けに行くの?」


「まさか。
昼が終わるまで閉じ込めとくよ。
麻里子と一緒にいたいからさ。」


『琉夜お前ふざけんな!』


「柏木と長く一緒にいれて嬉しいだろ?」


『そりゃ嬉しいけど…。』


「なんか不服か?」


『…ドキドキし過ぎて心臓がもたない//』


「お前なぁ……あっ…。」



電話の途中にいきなり頬に柔らかい感触

横を向けばすぐ近くに麻里子の微笑んだ顔

頬にキスされたんだとわかった。



「麻里子…。」


「なに?」


『琉夜?』


「わりぃ佐玖。」


『は?』


「しばらくドア開けに行けそうにない。」


『待てよ琉夜!』



ブチッ


何か言いそうな佐玖の声を断ち切り携帯を机の上に置いた。



「麻里子…。」



俺はゆっくりソファーに麻里子を押し倒した。



「その気になっちゃった?」


「彼女にキスされたらそりゃなるでしょ。」


「おチビは単純だね。」



麻里子の細長い指が俺の頬を撫でたらそれが合図

ゆっくり彼女の唇に自分の唇を重ねた。


最初は優しくそっと確かめ合うようにキスをして

感情が高ぶると次第に激しさは増していく。



「んっ…っ……りゅう…やっ……」


「はぁ……っ…ん……」



麻里子の腕が首に回り引き寄せられる

学校だってことを忘れて無我夢中で唇を重ねた。



「はぁ…はぁ……」


「おチビキスすると興奮するみたいだね。」


「え?」


「いっつも当たるから。」



下を見ると自分のモノが大きくなってお腹に当たっていた。



「しょうがねぇじゃん//男だもん…。」


「嬉しいよ。
あんまり琉夜みたいな子いないらしいから。」



頬笑む彼女に頭を撫でられると恥ずかしくなって首筋に顔を埋めた。



「くすぐったいよ。」


「麻里子好きだ。」


「うん。」


「めっちゃ好き。」


「んっ…琉夜っ……」



あんまり好きと言ってくれないことはわかってる


大人と付き合ってるといくら気持ちを伝えたって足りない気がする

言葉だけじゃ無理だから身体に自分の跡を残す

麻里子は俺のだって、
麻里子が大好きだって証

首筋から顔を離すと耳の裏に赤い丸

ショートだから首筋にはできない。



「またつけたの?」


「うん。」


「ダメだって前から言ってるじゃん。」


「それくらい大丈夫だって。
麻里子もつけてよ。
あ、見えるところにな。」



呆れながらもつけてくれる麻里子が愛おしい。


この時イチャイチャし過ぎた俺は完全に佐玖のことを忘れていた。


















「あいつまだ来てくれないのかな…。」





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