family

□昔からずっと…
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これが今朝起こった出来事

だから蒼空が寝る夜こそチャンス

今日こそ必ず玲奈を独占してやる。



俐空「よし…。」



俺は気合いを入れて玄関のドアを開いた。



俐空「ただいま。」


玲奈「おかえりなさーい。」



予想通り子供たちの出迎えはない

けど玲奈の出迎えてもなく代わりに置くから声が聞こえてきた。



俐空「な、なんで声だけ?」



疑問思いながらもリビングに行くとその答えはすぐに出た。



蒼空「ママみてー!」


玲奈「凄いね蒼空くん。」


俐空「…剣玉?」



俺が目にしたのは剣玉をしてる2人だった。



蒼空「あっ、パパおかえり!」


玲奈「今日小学校で剣玉教えてもらったみたいなの。
それでハマっちゃってずっとこんな感じ。」


俐空「華憐は?」


玲奈「今日ずっと遊んでたから疲れてもう寝ちゃった。」


俐空「そっか。」



なんだよ蒼空も寝てると思ったのに

これじゃイチャイチャできねぇじゃんか。



玲奈「ほら、
もう10時になるから寝なさい?」


蒼空「まだねむくないからもう少しだけおきてる。」


玲奈「じゃあもう少しだけね。
俐空お風呂は?」


俐空「向こうでシャワー浴びてきたからいいよ。」



俺がソファーに座ると玲奈は蒼空の隣を離れ俺の横に座ってきた。



玲奈「今日はどんなお仕事だったの?」


俐空「午前中は次のドラマの撮影で午後はついさっきまでコンサートのリハだった。」


玲奈「相変わらず大変だね。」


俐空「まぁな、けど楽しいよ。」



玲奈の肩に腕を回そうと手を伸ばすがそれは例の奴によって拒まれた。



俐空「なにすんだよ蒼空。」


蒼空「パパの手はここ。」



蒼空が腕を持っていった場所は俺の背中

なんだ?玲奈に触るなってか。



蒼空「ぼくはここ。」



俺の手は除け者にしたのに自分の頭は玲奈の膝の上。


昔から蒼空はいいところで俺の邪魔ばかりしてくる

大人気ないって言われるだろう

息子相手にムキになるなってな

けどずっと玲奈に触れてないせいか俺の中でドス黒い嫉妬心が生まれた。



俐空「俺と玲奈の間に入り込んだ上に自分の頭は膝かよ。」


玲奈「眠くなってきちゃったのかな。」



目をしょぼしょぼさせる息子の頭を撫でようとする玲奈の腕を思わず掴んでしまった。



玲奈「どうしたの?」


俐空「あ、いや、なんでもない…。」



パッと手を離すとその手は優しく蒼空の頭を撫でた。



俐空「はぁ…もう寝るわ…。」


玲奈「え、もう?」


俐空「あぁ…。」



これ以上こんなん見てたらもっと嫉妬してしまう

そんな自分が嫌で眠くもないのに寝室へ入った。




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