book

□過去拍手
1ページ/1ページ


恋次.ver








私の彼氏の恋次は
私より年下なのに

私よりずっと強くて
私なんか不釣り合いなくらい
カッコ良くて
人望も厚い。

だから時々不安になる。
いつか恋次が、
私じゃない誰かに
愛の言葉を囁く日が来るんじゃないかって…


「阿散井副隊長。この書類って…」

昼休みに、一緒にお昼を食べようと
執務室へ行けば、
同じ隊の女の子と話す恋次が居た。

「あ、先輩。もう、昼っすか?」

執務室に入れば、直ぐに私に気付いてくれて
その子との会話も止めて
私に歩み寄って来てくれる。

「…う、うん。」

仕事の話じゃなかったのかな、
と、女の子の方を見れば、
鬼のような形相で、私だけに冷たい霊圧を当てていた。

背筋が凍り付く。

「先輩。どうしたんすか?飯行きましょ!」

立ち尽くす私に不思議そうな顔をして
執務室を出て行ったので
私も後を追った。

今の子…
きっと、恋次の事が好きなんだ。
私より…可愛かったな…
スタイルも良かったし…

私、何も叶うもの無いじゃん。

「何、浮かない顔してんすか?」

気付けば恋次が立ち止まってこちらを見ていた。

「や、さっきの子可愛かったなって」

何言ってんだろう。
そんな事言ったら妬いてんのバレバレ… 

「確かに、アイツ人気ありますけど…」

そう言って私に近づいたかと思うと
私の頭に手を乗せて

「でも、俺が好きなのは先輩ですよ?」

頭をポンポンと叩いて笑った。

「たまに、妬かれるのも悪くないっすけど。」

そういってまた歩き出したから
私も恋次の後を追いかけた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ