宝物

□君が好き
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「原田先生!」




鈴のような綺麗な声で俺を呼ぶ…。

俺はこの声が好きだ…




「原田先生!!」




ほら…また綺麗な声で呼んだ…。

……こんな事を思ってるとその声の持ち主はもう知らないとボソッと言った。

そして、綺麗な黒い髪を靡かせながら去ろうとする。
が…




原「悪かったよ。どうした?紗邏…」




腕を掴むと同時に俺は声を出した。

すると少女…否や俺の彼女、紗邏はこちらを向いた。




「も〜!何で無視するんですか!ひどいですよ!」




と頬を膨らませて睨む。しかし、背の関係上睨んでも上目使いきしかならない…




原「悪かったよ。ちょっと考え事をな…」




「……何考えてたんですか?」




次はと言うと少し心配そうに見る紗邏。

おもしろいくらい顔や表情をコロコロ替える。




原「聞きたいか?」




俺がそう言うと紗邏は満面の笑みではい。と返事した…。




原「いいぜ。聞かせてやる。が……」




「が…?」




原「…お前、その格好どうしたんだ…?」




今更になって気付いたが…紗邏の今の格好はメイド服だ…。




原「何でメイド服着てんだよ…」




「原田先生、覚えてないんですか?文化祭の衣装合わせですよ?」




あ〜そんなのもあったような気もする…。




「だから、原田先生に見せたくて!どうですか?」




と笑いながら言った。

いや、可愛い。素直に。

だが、この姿を平助やら新八やら総司やらに見せるのだったら話しは別だ。

この可愛い姿を他の男に見せるなんてまっぴらごめんだな…




「?どうですか?やっぱり似合ってませんか??」




紗邏は涙目になりながら言った。




原「!あ、あぁ…。似合ってるぜ!」




俺はそう言うと紗邏を抱き寄せた。








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