宝物

□雪うさぎ
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千「これは、雪うさぎって言うんですよ!」




斎「手が冷たくなっているではないか…」




ギュッ…




千「さ、斎藤さん!?」




イライラするイライラするイライラする!!
中庭でイチャイチャする新選組に居候する女の子。
雪村千鶴と私と恋仲、斎藤一。




そんな二人を見てイライラしないわけでもなく…
室内でその二人を見ていた。
千鶴はいいと思う。
料理も出来るし、気が利く。
今だって数秒で器用に雪うさぎを作ってる。




私には断然無理。
小さい頃から刀しか握ってない私。
千鶴みたいに器用に出来ないし、上手くもない。
でも、一くんはそんな私でいいと言ってくれて恋仲となったのだが、千鶴が来てからと言うもの私に話しを掛けない所か、相手もしなくなった。




『…やっぱり、一くんも男だし…。千鶴みたいに器用で可愛いくて完璧な子が好きなんだろうな…』




こんな事思ったの最近ではない。
一くんと恋仲となった時からだ。
でも、一くんはそんな私に気を使いいつも優しい言葉を掛けてくれる。




それが嬉しくて嬉しくて…
……でも、今は違う。




最近は本当に千鶴のとこばっか。
……まさか、私…
捨てられた…?




『ゾクッ』




恐ろしい事を考えてると、後ろから声が聞こえた。




原「おはよーさん。紗邏。」




左之さんだった。




『おはよ。左之さん…』




原「おいおい。元気ねぇーぜ?大丈夫か?」




頭を撫でてくれる左之さん。
嫌な事しか頭にない私はついに涙を流してしまった…




原「!?お、おい!どーしたんだよ!?泣くなって!?」




いきなり泣いた私にオロオロする左之さん。




原「とりあえず、あったけー所で話し聞くか…」



そうして、私は左之さんの部屋へと向かった…
千鶴と話していたはずの一くんが黙って見ていたのにもしらずに…




斎「……」




――――――――――――




原「……んで?何あったんだ?」




部屋に着くと左之さんは温かいお茶を出し、私の目の前に座る。
私はさっきまで思っていた事を言った。
すると、左之さんは静かに私の頭優しく撫でる。




『?左之さん?』




原「よく、斎藤の前で我慢したな。偉いぞ。紗邏。お前はどうしたいんだ…?」




『どうしたいって…』




原「そんな奴の所に…いるのか?」




『……』




原「あいつも、何だかんだで千鶴に気を使ってるんだよ。」




『………』




原「それでも、斎藤の恋仲のままなのか?」




ずっと黙ってる私についに麻痺を切らしたのか左之さんは私を組み敷きった…




『!?さ、左之さん!?』




原「斎藤なんかやめて、俺にしろよ…。俺だったらずっとお前を思っててやれる…」




徐々に近づいて来る左之さん。唇が近付く。




『いやっ…や……っぁ、一くん!!』




私が一くんを大声で呼ぶ。
すると左之さんの部屋の襖が大きい音を立て、乱暴的に開いた。




斎「ハァハァ…さ、左之…。何やってる…」




何があっても息が切れることのない一くんがここで大きく息を切らしていた。








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