連載予備軍&短編小説

□YuriDAYS
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ここは帝都ザーフィアス

貴族と平民が住む大きな帝都である


そこの下町にある宿屋兼酒場の帚星の二階の部屋に1人の青年と犬が寝ていた


青年は長い黒髪に胸元の開いた黒い服装
青年の近くには日本刀に似た剣が立て掛けてあった


犬は藍色の毛に空色の鬣
口にはキセルをくわえ、左目にはギザギザの傷跡がある
首輪の代わりに鎖が巻き付けてある
右肩には愛用の短剣がある



青年の名はユーリ・ローウェル
犬の名はラピード

ここ、帚星に居候させてもらっている



「ふわぁ〜〜・・・っと寝ちまっていたか」

ユーリは目が覚め、起き上がり窓の外を見た

陽はもう頭のてっぺんまで上がっている

「もうこんな時間か・・・ラピード!そろそろ出発するぜ」

「ワンッ!」

ユーリは壁に立て掛けてあった剣を手に取り、ラピードを連れて外にでた


今日はこれからクオイの森に行き魔物討伐をして、その足でハルルの街へ向かうのだ




下町から外に繋がる出口付近に人影が1人

「ハンクスじいさん!」

「ようユーリ、今から行くんかの?」

「まあな、でハンクスじいさんは何のようで来たんだ?見送りって訳じゃないだろ?」

「うむ、ユーリ、お前さんに渡すものがあるんじゃ」

ハンクスじいさんは足元に置いてあった袋から短剣を取り出した

「なんだこれは?」

「下町の倉庫を整理してたら見つかったんじゃ」

「何でそれを俺に渡すんだ?」

「なに、ユーリなら何とかしてくれそうじゃったからの」

「おいおい・・・・・・」

「じゃあユーリ、魔物討伐頑張るのじゃぞ!」

ハンクスじいさんは袋を肩に担ぎ、下町へ歩いていった

「ハァ・・・・・・自分勝手なじいさんだぜ・・・」

「ワフゥ・・・・・・」

「仕方ねぇ、これは預かっとくか・・・ラピード、行くぞ」

「ワンッ」








三時間後




クオイの森に着いたユーリとラピードは魔物を探していた

「確か魔物を20匹倒さなくちゃいけないんだよな」

「ウーー、ワンッ!ワンッ!ワンッ!」

「どうしたラピーd・・・おっと、もうお出ましか」

ユーリとラピードの前に魔物が数匹たむろしていた

「じゃあ行くぜっ!」

「ワンッ!」

にユーリは持っていた剣を、ラピードは右肩にあった短剣をだし、魔物に向かっていった













「ざっとこんなもんだな」

「ワンッ!」

粗方魔物を討伐したユーリとラピード

辺りはもう夜だ

ユーリは倒した魔物から離れた所に移動し、そこで野宿することになった





魔物が来ないように簡易結界を造り、その中でラピードと共に軽く夕食をとった後、剣の手入れをやりながら夜空を見上げていた

空は満天の星空で綺麗だった

「あれからもう・・・一年が経つのか」

一年前、仲間と共にデュークを止めて、星蝕みを消滅させた

ユーリは今22歳、ラピードは5歳半だ

ユーリは剣を鞘に仕舞うと夜空を見上げた

「いろんなことがあったな・・・エステルに会って、カロルに会って、リタに会って、おっさんに会って、パティに会ってジュデイに会って・・・フレンとぶつかって、アレクセイを倒して、ザギを倒して・・・・・・ホント、いろんなことがあったな」

「ワンッワンッ!」

「ラピード、お前も忘れていないぜ」

「ワンッ!」

ラピードはユーリに頭を撫でられ、嬉しそうだ

「そして、忘れちゃいけない出会い













シャルガとの出会い」

「あいつは一体何だったのか・・・結局わからずじまい。だが、これだけは分かる」



アイツは自分が正しいと思ったことを最後までやる男、そして



「フレン並みに信頼出来るヤツだってことだな」




ユーリはそのまま目を瞑り、いろんな事を思い出しながら眠りに入っていった

ラピードは周りを警戒した後、直ぐにユーリを起こせるように、そばで眠った









ユーリとラピードが寝入った

その時、ハンクスじいさんから貰った短剣が光り始めた

短剣は鞘から抜け出し地面に刺さった

そしてユーリとラピードを中心に紫色の魔法陣が現れ、飲み込んでいった







魔法陣が刺さった短剣と共に消えた時、その場にはメラメラと、焚き火だけが燃えていた
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