つよきす愛羅武勇伝

□レオの勧誘奮闘記 その2
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レオSIDE

さて、前回相撲取りには力でねじ伏せて勝ち、後輩の女との舌戦で惨敗したわけだが、今回はそのリベンジと相成りました。
「ンマー驚き、昨日こてんぱんにやられて懲りたんじゃないの?」
 わざとらしくあきれたような声を上げるカニ。
「スタンプ3つを諦めるにゃ惜しいだろ」
「はっ、これだから物欲主義者はやだやだ、オメー達もうちょっとボクみたいに無欲な人間になろうよ」
 どの口がそんな世迷い言を言えるんだ?お前とフカヒレが一番の物欲主義者だろうが。
まぁいいや、取り敢えず、物で釣ってみよう。


 しかし勢い良く生徒会室を出たのはいいが誰もついてこなかった。
しょうがない、また俺一人で行こう。べ、別に寂しくなんかないぞ!……なんか空しくなってきた。



NO SIDE

攻撃フェイズ

「よう、また会ったね」
「誰?」
 なごみは速攻で拒絶の意思を顕にしている。しかしそんな事でへこたれるレオではない。
「大学食で話さない?あそこのほうが眺めいいよ」
「結構です、消えてください」
「そう言わず話ぐらい聞いてくれ、ジュースおごってやるから」
「奢って貰う理由がありません」
「この前の侘びと先輩の顔立てるということで納得してくれや」
「そこまで言うならセンパイの顔を立てます」
 ようやく交渉の席に着いた。台詞だけで9行も使わせやがって……ゲフンゲフン。
「ま、単刀直入に言うけど……そのタフネスな精神を見込んで頼む、生徒会入ってくれ」
「嫌ですね、つまらなそうですし」
 再び拒否である。切れ味の鋭いナイフのような眼光でなごみはレオを睨み付ける。
しかしなごみにも誤算はあった。目の前にいる対馬レオという男は殺気云々に対する免疫が非常に強いのだ。
故にレオは全く怯まない淡々となごみの顔を凝視する。
「見学ぐらいはしてほしいもんだけどね、何もしない内から逃げられちゃ交渉もはかどらないでしょ」
「…………いい加減消えてください、ウザイです」
「俺のウザったさなんてフカヒレに比べりゃ可愛いもんだ」
 あくまで飄々として態度で返すレオ。原作より強くなってるのは肉体だけでなく精神面も同様である。
「潰すぞ」
 堪忍袋の緒が切れたのか遂に敬語すら使わなくなるなごみ。
「君に潰されるほどやわじゃないけど」
 無言のまま睨み合いが続く。そんな空気が数分間続き、やがてなごみが先に動いた。
「不愉快です、失礼します」
 そのまま屋上を後にする。どうやら今回の舌戦はレオに軍配が上がったらしい。
「勝った……!」
 なんとも言えない優越感にレオは小さくガッツポーズをする。妙なところで小物である。
「いやお前、生徒会に勧誘するんじゃなかったのかよ?」
 いつの間にかカニと共にやって来ていたスバルが突っ込みを入れる。
「あ、スマン」
「いやいやスバル、ココはレオを褒めるべきっしょ!見た?ココナッツのあの悔しそうなしみったれた顔!!」
 カニはカニで心底うれしそうな表情だ。
「そのとばっちりで俺は思いっきりガンつけられたけどな、ありゃフカヒレだったら絶対トラウマ発動間違いないぜ」
 どうにも今回は苦労人なスバルであった。
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