つよきす愛羅武勇伝

□対馬レオの日常 その1
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レオSIDE

「ん?」
 騒ぐ二人の馬鹿を無視して先に進もうとした時、俺の六感がこっちに迫ってくる殺気を拾い取った。
「っ!!」
 乗っていたMTB(マウンテンバイク)を飛び立つように乗り捨て、背後から鋭い蹴撃が繰り出される。
「っ…………」
 即座に反応し、ブリッジのように体を反らして回避。
「チッ!」
 襲撃者は一瞬舌打ちして肘鉄を繰り出してくるが…………。
「フンッ!」
「グ……!やるわね…………」
 腕を付かんで捻り上げ、関節を極める。
「相変わらず朝っぱらから随分な挨拶だね、姫」
「あら、コレくらい対馬君には挨拶代わりでしょ?」
 襲撃者の名は霧夜(きりや)エリカ、通称『姫』。
俺の通う学園、竜鳴館の生徒会長にして世界に名立たる霧夜グループの令嬢。
頭脳明晰、運動神経抜群、容姿端麗にして高いカリスマ性を持ち、人の上に立つ器を持った女だ。
ただしその性格は傲岸不遜で傍若無人。味方も多けりゃ敵も多く、竜鳴館には親姫派と反姫派の二大勢力があるほどだ。
故にその姫と言うあだ名は尊敬と皮肉両方の意味がある。
彼女とは半年程前からこんな風に物騒な挨拶を交わす様になったのだがその説明はまた別の機会に……。


 んで、そんなこんなでようやく校門にたどり着いたわけだが。
「…………」
 何故か日本(ポン)刀を持っている風紀委員の前を通り登校。
しかし、最近妙にあの風紀委員から視線を感じるんだよな。
どっかで見たことあるような気がするけど…………誰だっけ?
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