東方蒼天葬〜その歪みを正すために〜
□千冬唖然!これが河童の技術力!!
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「一夏ぁ〜〜、約束の物取りに来たよ〜〜」
そんな時、外から一夏を呼ぶ少女らしき声が聞こえてきた。
「ん?ああ、ちょっと待って!!」
少女の声に応え、一夏は残りの米と味噌汁を平らげ、表に出る。
そしてそれに追従するように千冬も表に出る。
そこにいたのはウェーブのかかった外ハネが特徴的な青い髪に緑のキャスケットを被り、背中にリュックを背負った少女だった。
(河童……なんだよな、この少女は……)
内心千冬はイメージとのギャップを感じていた。
「わざわざ悪いなにとり。千冬姉、紹介するよコイツは河城にとり。妖怪の山に住む河童だよ」
「あ、一夏のお姉ちゃんでしょ。幻想郷で噂になってるよ。よろしくね」
「ああ、こっちこそ。織斑千冬だ、よろしく頼む」
少し呆然としながらも千冬はにとりと握手を交わした。
「それで、例のIS……だっけ?どこにあるの?」
「ああ、こっちだ」
一夏はにとりを物置部屋へ案内し、ラファールを取り出した。
「へぇ〜〜、これが外界の……うわ、凄い仕組み。これ作った人本当に天才だね。外界の人間にもココまで凄い天才がいたなんて」
ISをしげしげと見つめながらそんな事を呟くにとり。
確かに世の中広しといえどこんなもの(IS)を作れるのは外界では束だけだろう。
「とりあえず詳しく調べたいし、一度工房に持って行くけど、一夏達も来る?」
「俺は構わないよ。千冬姉は?」
「勿論私も行かせてもらう。今後に関わる事だしな」
千冬も了承したことで三人は妖怪の山へ向かう準備に入る。
ラファールを引っ張り出した直後に身支度を整える。
千冬は飛べないため一夏が背負い、ラファールはにとりが持ち運ぶ事になった。
(私も飛べるようになるべきか?)
千冬がそんな事を考えていたのはまた別の話。