つよきす愛羅武勇伝

□雪辱日和
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レオSIDE

 本日は毎週恒例の館長による授業、『心』を学ぶ独自のカリキュラム、その試験結果発表である。
「うむ、全員出席か、実に結構」
 いや、アンタの授業をサボる命知らずはココにはおらん……。
「いつの世になっても体が資本であるのに変わりはないからな、それではこの間の試験を返却する!全員、戦場で敵を倒す兵士のように元気良く答案を受け取るように」
 …………ノリが最早戦時中だ。しかし口がそんな事は裂けても言えない。
「俺、これだけは点数いいんだよな」
 フカヒレは試験の名前を書く欄、男・女の男の部分に二重線を引き、『漢』と書くアホだ。
だが、これをすると館長は5点アップしてくれる。それで良いのか?
だが問題は結構面白い。『問1 お前の主張を書け』や、『問2 百人の命と一人の命、どっちを助ける?』など。
「とりあえず百人って書いたら○もらったよ」
「気分にもよるけど、もちろん両方助けるわよ、私、結構欲張りだし」
「一人と百人、その百人が他人で一人がダチだったとしたら、オレは一人だね」
「美人だけ助ける。後は自力で生き延びてくれ」
「うーん、私わからないって書いたらバツだった……どっちが正しいかわからなくて……」
 上からカニ、姫、スバル、フカヒレ、佐藤さんである。人それぞれ色んな考えがあるというのがよく分かる。
え?俺はなんて書いたって?
『出来る限り多くの命を助ける、100人も1人も関係なし、ただし助ける優先順位は選ぶ』だ。
「ま、若い内は色々やってみるが良い。恋愛、旅、スポーツ、勉学、何でも構わん」
 何だかんだ言ってもこの人の言葉には重みがある。それがこの竜鳴館のクオリティの一つなんだろうな…………。
「いずれそれがお前たちの『力』になるだろう、例えば、儂(わし)のように体を日々鍛えていれば、熊九頭までなら素手で倒すことも可能になる」
(それはアンタだけだ)
 まぁ2〜3頭ぐらいなら何とか出来る自信はあるが…………。
「もし、日々がつまらぬ。日常がつまらぬ。毎日が同じことの繰り返しで何か刺激を求めている者がいたら、儂のところへ来い儂が心身を鍛え、面倒を見てやろう」
 それはそれで面白そうだが怖いと言う思いが強いので止めとこう…………。
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