つよきす愛羅武勇伝

□番外編 修行時代〜My Teacher is Mustang Man〜
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レオSIDE

 懐かしい夢を見た。約1年前のあの日々の夢を…………。


 誰にだって挫折する事や壁にぶち当たる事は多い。
それを乗り越えることが出来るか否かは、その人間の実力もあるが、壁の大きさにもよる。
俺がぶち当たった壁は……余りにもでかかった…………。


 俺が地下闘技場へ出入りし始めて3ヶ月……元々空手で鍛えていた事もあり、俺は3ヶ月と言うスピードでチャンピオンへの挑戦権を得た。
しかし…………その闘いで俺が得たものは、無様な敗北だった。
それもそのはず、この地下闘技場に登録されている闘士(ファイター)の実力はピンからキリ。
しかしその中でもチャンピオンクラスの実力は余りにも大きすぎるのだ。
AからEにランク付けするとすれば当時の俺の実力はB。
コレだけ聞けばあと一歩なんて思われるかもしれないがそれは違う。
それぞれのランクの強さを説明すれば。

E→街のチンピラ
D→格闘経験者(下級)
C→格闘経験者(中級)
B→格闘経験者(上級)
A→超人(乙女さんと同じぐらい)

 俺は痛感した。所詮自分はスポーツレベルの格闘技で遊んでいるだけの甘ったるい人間だという事を…………。
このままBランクで小金(しょぼいファイトマネー)を稼ぐだけで終わってしまうのか……それも仕方ないのかと思ったのも事実だ……だけどそれ以上に勝ちたかった。
テンションなんかに身を流すのは馬鹿のする事だってのは解ってる、だけどそれでも勝ちたい。
コレがただのトラブルなら波風立てずに終わったって良い、だが勝負事だけは話は別だ!!
そんな時だった、フカヒレの奴がある一枚のチラシを持ってやってきたのは……。
「コレ見ろよ、『元海軍大佐による格闘訓練合宿、米海軍・自衛隊の基地で開催!!軍人、民間人問わず参加者募集!!』だってさ、コレで一気に魅力アップだぜ!」
 ……元海軍大佐、面白い話だと思った。
その大佐とやらがどれほどのものか分からない。だけど強くなれる可能性が少しでもあるならそれに懸ける。
俺とフカヒレはコレまで溜めていた貯金を断腸の思いで下ろし、夏休みを返上する覚悟で基地へと向かった。
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