つよきす愛羅武勇伝・鉄乙女編

□従姉との日常・乙女の挑戦編
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レオSIDE

現在俺達はカニのバイト先であるオアシスにアルバイトをしに来ている。
と言ってもその内容はウエイターや料理などではない。今日は新作カレーの試食会なのだ。
「食うだけで金が貰えるとか最高だぜ」
 うわべだけの言葉につられた馬鹿がここに一人。試食係ってのはそれなりに責任があるしどんなまずいものでも絶対食わなきゃならないんだぞ。
まぁ、カニの殺人料理に匹敵するものはそうそう無いし、そこまで心配することじゃないが。
「というか何故私まで協力しなければならん?」
「女性の意見も貴重っスよ」
 愚痴気味に乙女さんがぼやき、スバルが見事なフォローで宥める。
「なにより、いっぱい食べれる人が必要なんだ。そこら辺は乙女さんってレオよりすごいんだろ?」
「まぁな、少なくとも俺よりは食う」
 パワーがデカイ分燃料も多い必要があるのか……とにかく飯はすごくよく食べる。俺も常人よりは結構多く食う方だが……。
「ついでに言えば寝る時間も多い」
 俺以上に健康優良児だからな、乙女さんは。
「何をボソボソとしゃべっている?ところで今閃いたんだがな、おにぎりの中にカレーを入れるというのはどうだ?」
「……普通にカレーを食ったほうがいい」
「む、やはりそうか」
 時々天然な乙女さんだった。
するとそのときカニが出てきた。
「うぉーい、オメェラ夏の新メニュー試食会・第1弾はこのカレーだ」
 なんとも珍妙奇怪なカレーが運ばれてきた。
「何コレ?」
「メロンカレー、独創的だろ」
 オリジナリティがあれば良いって物じゃないだろ……。
「まぁ、試食のバイトというのならとりあえずは食べてみないとな」
 まじめな乙女さんは先陣を切って食べ始めた。
「ン……意外と悪くないんじゃないか?」
「そうだな、甘口ならまだ食えるかもしれねぇ」
「ふむふむ……よしよし、第2陣、うにカレーだ!」
 ……さすがにそれは。
「ン……これも意外と悪くないんじゃないか?」
 乙女さんは再び嬉々としてカレーを食べる。
この人食えりゃなんでも良いのでは?
「第3弾、チャーハンカレー」
 だんだん怪しくなってきた
「第4弾、チャーハンとカレー!」
 最早意味無し。
「第5弾、チャーハン!!」
 カレーですらねぇ!!
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