東方蒼天葬〜その歪みを正すために〜

□孤独な世界最強
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 一夏が外界へ戻る方法を得た頃の外界、日本のとある町に一人の女性がいた。
整った顔付きで十分美女と呼べるプロポーションだが周囲が彼女を見る目は憧れなどの類ではなくむしろ奇異の目だ。
今の彼女の外観は髪の毛は伸び放題のボサボサで眼は虚ろ、服はボロボロの部屋着、その上手首にはいくつかの切り傷を付けているという余りにもみすぼらしいその姿に周囲の奇異の視線はある意味当然とも言える。
そして何より彼女が注目されているのは彼女の過去に原因がある。
女性の名は織斑千冬。織斑一夏の実の姉だ。

 かつて千冬は世界最強のIS乗りとして『ブリュンヒルデ』と呼ばれる世界最強の栄光をつかみ、全世界の女の憧れの的だった。
しかし第2回モンドグロッソにて弟である一夏を失った今、過去の栄光は消え失せ、職にも就かずに日々アルコールに溺れる日々という余りにも惨め過ぎる人生の負け犬に成り下がっていた。
それ程までに一夏を失った悲しみは彼女に深い傷を刻み付けていたのだ。
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